クリストファー・デ・ハーメルの『A History of  ILLUMINATED MANUSCRIPT』(PHAIDON)(1994 第二版)を,第1章だけでやめておこうかなと思ったがつい調子に乗って,第二章“Books for Emperos” を読み始めてしまった。シャルルマーニュの話が出てきて,墓を暴くオットー三世の話もあり。その時に墓から取り出した書物がVienna Coronation Gospelsと言う伝説? この書物の伝説のことまでは知らなかったのでふむふむ。デ・ハーメルの本ではマルコの絵だったが,ヨハネとマタイを挙げる。古典的でビザンティン風とデ・ハーメルは書いている。おそらく8世紀の終わりにアーヘンで描かれた。

Coronation Gospels - St John

The Evangelist Matthew Kunsthistorisches Museum  Vienna

さらにAachen Gospelsから。8世紀の終わりごろ,アーヘンで描かれたものと思われる。

Four Evangelists page 

それぞれの福音書記者のシンボルの動物が本を読んでいるのがユーモラスではないか。

Scuola del palazzo di carlo magno, evangeliario, aquisgrana, 800-20 ca. 03

photo by  Sailko CC BY 3.0

 

しばらくinsularの聖書の模様ばかりを見てきたから,こういう人の姿に少しホッとする。そして次の頁をあけたらロルシュの福音書の画像がある。

ロルシュの福音書については以前書いたことがある。

 

この福音書はヴァチカンにあるのだが,デ・ハーメルの文を読むと,9世紀初頭におそらくアーヘンで描かれ,偉大なるロルシュのカロリング修道院に送られた。830年頃に黄金の本と記述された。その後ハイデルベルグのパラティヌ選帝侯の図書館にあり,1623年にヴァチカンによって獲得されたとある。ハイデルベルクの選帝侯? 1623年にヴァチカンへ?  それは例のボヘミア冬の王フリードリヒ五世と関係があるに違いない!  その話は次回に。