The Crucifixion; The Last Judgment  1440年頃 –41
56.5 x 19.7 cm メトロポリタン美術館  

左パネルの細部をいくつか。

遠景に険しい山々が見える。

 

これ、ブリューゲルにそっくりの構図があるけれど…

 

METのHPには,ヤンは外交任務のために1426年にアルプスを越えてイタリアと聖地に旅行し,その旅行が彼に自然主義的な描写を知らせたとある。確かに遠景の険しい山はネーデルラントには無いだろう。秘密に外交任務であちこちに行っていたらしい。

 

 余談だが,なぜファン・エイクの作品がアメリカにあるのかと思えば,まずスペイン大使を務めていたドミトリー・タチーシチェフが1845年に購入し、1845年から1933年まではエルミタージュにあった。その年にメトロポリタン美術館に売却された。様々な美術品を売り払ったソビエト連邦……。貴重なファン・エイク作品だったのに,と思うが。

 

※思いついたブリューゲルはコレだったが、細部が似ているわけではなかった。

ゴルゴダの丘への行進 Pieter Bruegel d. Ä 1564 ウィーン美術史美術館

遠景にキリストがいて手前のやや高いところにマリアとそれを取り囲む人々が大きく描かれている構成が似ていたのだった。