プルビュスの地図に入る前に。

当時のブリュージュの鳥瞰図について,引き続き河原温の『ブリュージュ』による。

1562年にブリュージュで出版された都市鳥瞰図がある。作者はMarcus Gerards(1521-1590)。ブリュージュにも勢力を伸ばした改革派に賛同したプロテスタントだった。その後,1567年にフェリペ二世によって派遣されたアルバ公の統治によって亡命せざるを得なくなり、1568年にイギリスに亡命して画家として成功し,エリザベス一世の肖像画も描いている。

 

 Old map of Bruges by Marcus Gheeraerts de oude in 1562

この地図は全体で縦1メートル、横1.8メートル。10枚の銅版画をつなぎ合わせたもの。1560年にブリュージュ市当局から依頼されたもの。

細部を見ると

 

現在でも使えるのではないかというほど、優れた地図だ。この細かさといったら!

 

本からは以上だが,このMarcusがどんな絵を描いていたか調べてみた。

エンブレマータコレクションの挿絵 1567

 

 

Thus death calls those who do not desire it.

 

 The wellbeing of the subjects is the power of the princes 

上の二つはフランス国立図書館所蔵 1578年

 

 最後にエリザベス一世の肖像画。

The Wanstead or Welbeck Portrait of Elizabeth 1

between 1580 and 1585 The Portland Collection, The Harley Gallery

 

まだまだ面白いものがありそうだが,このあたりにしておこう。どんどん本筋から離れているので。(すでにどの線が本筋か見失っているが、一応プルビュスの作品を見ているところ。)

 

マーカスはブルージュを追われて亡命したのは大変だったろうけれど,こうしてみるといろいろなジャンルの絵を描いているし,結構充実した人生だったようにも思える。