Pieter Pourbus (1523-1584)The Last Supper 1562 ブリュージュ 聖母教会
146.5 cm × 230.5 cm
Pourbus最後の晩餐、これはブリュージュの聖母教会にある。ミケランジェロの聖母子像がある教会である。この作品も見覚えがない。これはグルーニング美術館の作品より14年後,年齢も初めの作品が25歳,この作品は39歳。サイズも大きくなって,これは個人用ではなく教会の祭壇画用なのだろう。作品の時間的な経過は,描いた順序とは異なる。初めの作品はユダが逃げ出すところだが、これは逃げ出す前なのである。Pieterは再び最後の晩餐の注文を受けた時に,以前の作品を顧みて、やはりイエスが裏切り者がいると言った時、弟子たちが驚いている場面の方が良いかなと思ったのかも知れない。ヨハネはすでに寝ている。テーブル上の美味しそうな肉の塊がまだだいぶ残って居るけれど、これから食べるのだろうか,心配になる。位置的にユダの真ん前で、ユダが逃げ出す時には、皿はからになっているので,まさか食べたのはユダなのか? なんて神経が図太いんだろう。ユダの衣装はほとんど同じ、茶色のマント。でも隣のユダのマントをつかもうとする男は衣装替えである。もう1度、初期の作品を挙げてみる。
こうして比べると、後年の作品は確かに上手くなっていると思う。人物の描き方、足の陰影。気持ちの描き方も格段に違う。レオナルド風なところも消えている。
 でもこのちょっととぼけた感じの作品も捨てがたい。