正面に見えるのが大聖堂,斜塔が少し覗いている。

大聖堂内部。この円柱はパレルモのモスクから略奪したと伝えられているとか。

これはニコラの息子のジョヴァンニ・ピサーノ作の洗礼台だそうだ。

足の部分の拡大。《騎士》

斜塔を真下から見上げたところ。修復直後で美しい。

斜塔から見下ろした風景。すぐ下に大聖堂。その奥が洗礼堂の建物。

※ 写真は全て筆者。数年前の旅行で撮影したもの。

 

こうしてみると,ピサの建造物の美しさは格別。ピサーノの洗礼台だって、ガイドブックで読んだから撮影したようなもの。ここで洗礼堂の説教壇のレリーフを眺めるヴァールブルクを想像すると,因業という言葉が思い浮かぶ。

 ただピサは、いろいろな意味でフィレンツェとは違う中世や古代を感じさせる場所だった。あの大聖堂の暗さや林立する柱,古代を思わせるレリーフ彫刻。フィレンツェの色大理石と違う古代ギリシアを思わせる白亜の建物。海も近い海洋都市だったからか。風通しが良い感じがした。

 この時は斜塔に登ったが,もちろん登らなくても素晴らしさは十分理解できる。ただ斜めになった螺旋階段を登っていく時の平衡感覚が試練を受けるあの感じは,一度味わっても良いかもしれない。