芸能人の自死のニュースが相次いだ。

俳優の渡辺裕之さんの訃報を知った時、連鎖しなければと思っていたが、

数日後にお笑い芸人の上島龍平さんも同じような亡くなり方をしたと知り、

本当に残念な気持ちになった。

周囲の人たちにとっては、多少は心配していてもまさかの死だと思う。

人間は必ずどこかで死ぬのだけれど、

「自死」という形は周囲の人に大変な心の傷や重荷を背負わせる。

このブログでも何度か書いたような気がするが、

「自死」は何らかの心の病の症状だと考えている。

心の病気になってしまうと自分の苦しさに視野狭窄になり、

時にはパニックのようになってふっとそちらの世界に足を踏み込んてしまう。

だから、健康な時から「自死は大切な人を苦しめる行為」と脳みそに刷り込んでおく必要がある。

 

ネットで下記の記事を見つけた。

「コロナ鬱」継続的な見守りを 影響長引き孤立深める人も 産経新聞

新型コロナウイルス禍を背景とした将来不安をきっかけに、心のバランスを崩す「コロナ鬱」。行動制限が解除され、周囲が日常を回復するようになると、メンタル面が不調な人ほどギャップを感じ、孤立を深めやすいといわれる。専門家は、周りの人の継続的なサポートと、医療機関への受診を促すことが大切だと訴えている。

神奈川県内の自宅で3日死去した俳優の渡辺裕之さん(66)。妻で俳優の原日出子さんによると、渡辺さんはコロナの感染拡大以降、「心の病」となり治療を受けていたという。

「コロナの最初の自粛の頃から、人一倍家族思いで心配性な夫は、先行きの不安を口に出すようになり、考え込むことが多くなりました」

ここ数カ月は家族でその症状と懸命に向き合ってきたと、所属事務所を通じたコメントで明かしている。

メンタルヘルスケア事業を手掛ける「ジャパンイノベーション」(大阪市中央区)の社長で精神科医の伊藤英樹氏によると、「コロナ鬱」に医学的な定義はないが、主に3つの発症要因がある。
①感染への不安や予防のストレス
②外出自粛や在宅勤務など生活の変化
③コロナによる社会・経済情勢の悪化-がきっかけとなり、一般的な鬱病と同様に不眠やだるさなどの症状が出る。
中でも気分が落ち込んで意欲が低下する「抑鬱状態」が強くみられるという。

同社は国内感染が本格化した令和2年5~6月、鬱病の早期発見を目的としたウェブ検査アプリを一般に公開。約7500人の受検結果を分析したところ、鬱病の可能性がある利用者は、コロナ前の検査平均の約5倍にあたる50%超となった。「自粛を徹底する生真面目な人ほど発症しやすい」(伊藤氏)という。

伊藤氏は予防策として、十分な睡眠や日に3度の食事など規則正しい生活習慣の継続を挙げ、「精神的な疲れの回復が遅く、老後の悩みや更年期障害が重なる中高年ほど注意が必要」と指摘。周囲のサポートについては「『がんばれ』と励ましたり、急に外出に誘ったりすると当事者の負担になる。不安な思いに耳を傾けるなど緩やかに見守りながら、医療機関の受診を促してほしい」と話す。

約40年前から自殺予防の無料電話相談を行っているNPO「国際ビフレンダーズ大阪自殺防止センター」(大阪市中央区)の北條達人(たつひと)理事長(36)はコロナ禍も3年目となった今、「心のしんどさが言動に表れる人が増えた」と語る。

感染拡大初期はウイルスに対して抽象的な不安を訴える人が多かったが、2年目は生活困窮や強い孤独感などより具体的な問題になり、3年目はそれらがさらに深化した印象だという。

2年春の1回目の緊急事態宣言の時は「ステイホーム」が呼び掛けられ、多くの人がそれに従った。北條氏は「助け合って大変な状況を乗り切ろうという一体感が社会に生まれ、孤独が和らいだ人もいた」と振り返る。

しかしコロナ禍が長引くにつれ、失業した人がいる一方、業界によっては業績を伸ばすなど、地位や境遇によりさまざまな差が生じている。北條さんは「『周囲は日常を取り戻しているのに、自分はいつまでもしんどいままだ』とギャップを感じ、孤独や孤立を深めた人もいる」と分析する。

「周囲に悩みや不安を打ち明けられない立場の人もいるだろうが、名前も顔も分からない『赤の他人』の私たちだからこそ、応じられる相談もある」と北條氏。「誰かに話してともに考えることで、人生を再構築することができる場所があることを、多くの人に知ってもらいたい」と呼び掛けた。

同センターでの相談は、毎週金曜午後1時~日曜午後10時。この間は昼夜を問わず対応する。電話(06・6260・4343)。(山本考志、小川原咲)
 
これは大人だけの問題ではなく、激増している不登校も若者や子ども達の自死も、背景は共通するだろう。
とにかく、いつもよりマイナス志向になり人と会いたくない気分や、やる気が出ないことが続いた場合、周囲の人にそのことを話してみよう。
周囲の人も、いつもと様子が違うような気がしたら、「どうかした? 何かあった?」などと声をかけてみよう。
自分の心の重さを誰かと共有することで、話した分だけ心は軽くなるものだから。