未来の会では発足当時から「不登校新聞」を購読していて

毎月発行する会報には、その記事で気になったものをコピーして添付しています。

9月1日号では、下記の記事が掲載されています。

子どもが「学校に行きたくない」と言うことは、相当のことなのです。

真剣にその言葉と体調の変化を受け止めてください。

 

不登校新聞からの緊急アピール 「行きたくない」は命のSOS

 2021年上半期の子どもの自殺は、過去最多だった2020年上半期を上まわるペースで起きています。今年6月、「厚生労働大臣指定法人いのち支える自殺対策推進センター」が公表した調査結果によると、ネット上で「学校 行きたくない」というワードの検索数が増加したあと、子どもの自殺者数が増加したという関連性が判明しました。依然としてつづくコロナ禍において、「学校へ行きたくないは命に関わるSOS」として、NPO法人全国不登校新聞社は子どもにかかわるすべての大人に対し、「緊急アピール」を発信します。

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■緊急アピールを出す背景

◎過去最多の前年を上回る小中高生の自殺が起きているため

 2020年、小中高生の自殺が過去最多になりました。月別で見るとピークであった8月の自殺者数は前年から比べると、ほぼ倍増しています(34人→65人)。

 増加の背景として、文科省の有識者会議は「コロナ禍の影響」も指摘しています。また、国立成育医療研究センターのアンケート調査によれば、4人に1人の子どもに中程度以上のうつ症状が見られたとのことです(思春期のうつ症状の重症度尺度PHQ-A)。さらに、2021年上半期の小中高生の自殺者数を見ると、昨年を上回る水準で推移していることもわかりました。

◎「学校 行きたくない」と子ども自殺の関連性が判明

 一方、自殺防止に向けて、その兆候をつかむヒントとなる調査結果も出ました。「厚生労働大臣指定法人いのち支える自殺対策推進センター」が今年6月に公表した分析結果です。

 調査によれば、ネット上で「学校 行きたくない」というワードの検索数が増加したあと、子どもの自殺者数が増加したという関連性が判明しました。この調査結果は、23年間、不登校を取材してきた弊紙の実感に沿う、説得力のあるものでした。

 「学校へ行きたくない」という思いで苦しんでいる子どものなかには「死にたい」と考える子どももすくなくありません。その多くは「死にたいと考えてしまうほど追いつめられていてつらいんだ」ということをわかってほしい、という思いを抱えています。

◎緊急アピールに向けたお願い

 弊紙の創刊理由の1つは、学校が苦しくて自ら命を絶ったと思われる中学生の自殺です。子どもの命にとって、ただでさえハイリスクな夏のこの時期、依然続くコロナ禍の影響も勘案すると、強い危機感をおぼえるにいたり、緊急アピールを発信することにしました。子どもと関わるすべての大人に向けて、TALKの原則に沿った対応をお願いします。

TALKの原則とは

Tell/言葉に出して心配していることを伝える。Ask/死にたいという気持ちについて、率直に尋ねる。Listen/絶望的な気持ちを傾聴する。Keep safe/安全を確保する。(文科省『教師が知っておきたい「子どもの自殺予防」』より抜粋)。

■緊急アピール

◎「学校へ行きたくない」という訴えは命に関わるSOSです。

◎命を守るために「行きたくない」という訴えを見逃さないでください。

◎より多くの命を守るため『TALKの原則』に沿った対応をお願いします。

2021年8月19日
NPO法人全国不登校新聞社