小林多喜二「蟹工船」 | 実録「負け犬サラリーマンの株式投資日記!!」

小林多喜二「蟹工船」

小林多喜二「蟹工船」


 本作は日本のプロレタリアート文学の代表とも言える作品だ。まず蟹工船とは、戦前にオホーツク海のカムチャツカ半島沖海域で行われた北洋漁業で使用される、大型船である。搭載した小型船(川崎船)でたらば蟹を漁獲し、母船で蟹を缶詰に加工する。蟹工船は「工船」であって「航船」ではない。ゆえに航海法も労働法規も適用されず、過酷な労働状況が強いられていた。本文最初の一文で「おい地獄さ行くんだで!」とあるように、死と向かい合わせの地獄のような職場とわかっていながらも、高給をもらえると聞きつけてやってきた出稼ぎの田舎者たちが大勢いた。本作では「博光丸」という架空の蟹工船が舞台だが、実際に存在した蟹工船をモデルにして描かれているとされる。