「オールシーズンタイヤ」なぜ増えた? 国産タイヤメーカーが続々と日本市場に投入する理由

我武者羅
2019/08/12 12:51

「オールシーズンタイヤ」なぜ増えた? 国産タイヤメーカーが続々と日本市場に投入する理由

くるまのニュース
2019/08/12 10:10

2019年8月5日、住友ゴムから、オールシーズンタイヤ「ダンロップ オールシーズンMAXX(マックス)」が発表されました。2019-2020シーズンは日本メーカーが続々とオールシーズンタイヤのジャンルに参入してきています。オールシーズンタイヤとはどんなタイヤなのでしょうか。

履き換えいらずで一年中装着できるのがオールシーズンタイヤ

 住友ゴムから、ダンロップブランドのオールシーズンタイヤ「オールシーズンMAXX(マックス) AS1」が登場しました。

春/夏/秋の晴れの日や雨の日だけでなく、冬の雪の日にも走行できるのがオールシーズンタイヤの特徴

 日本で冬用タイヤといえば「スタッドレスタイヤ」が有名ですが、冬用として存在するタイヤはほかにも「オールシーズンタイヤ」「ウインタータイヤ」などがあります。

 スタッドレスタイヤは、凍った道や雪道など、いわゆる冬の道すべてに対応するタイヤです。スパイクタイヤに対し、「スタッド(スパイクピン)」が「レス(ない)」なので、スタッドレスと呼ばれています。

 スタッドレスタイヤのトレッド面を見てみると、細かい溝(サイプ)が刻まれています。このサイプのエッジ効果で氷や雪を咬み、冬道でのグリップ力を生んでいます。また柔らかなトレッドゴムを用いることで路面に密着させ、路面とタイヤとの間に生じる水膜を除去、スリップを防ぎます。

 トレッドゴムが柔らかいため、以前は高速走行の際にハンドル操作の手応えが薄かったり、ドライ路面を走行中にタイヤから発生する騒音が大きかったりと、ネガティブな要素もありましたが、最新のスタッドレスタイヤでは、ドライ路面での走行安定性や静粛性、さらに耐摩耗性能の向上など、各タイヤメーカーの技術を存分に注ぎ、ドライ路面でもサマータイヤとの違いがわかりづらい商品も多く存在します。

 ただし、季節の変わり目にはサマータイヤからスタッドレスタイヤ、そしてスタッドレスタイヤからサマータイヤへと、年2回交換することを前提とします。

 対してオールシーズンタイヤは、その名のとおり「オールシーズン(全ての季節)」で使用できるタイヤ、ということになります。スタッドレスタイヤでは春と秋の2回、タイヤ交換をしなければなりませんが、オールシーズンタイヤはその履き換えの必要がありません。

 つまり、外したタイヤの保管場所に困らないというメリットもあります。春夏秋冬、雨の日や晴れの日、雪の日までカバーします。

 オールシーズンタイヤの歴史は意外に古く、1977年にグッドイヤーが世界初となるオールシーズンラジアルタイヤ「Tiempo(ティエンポ)」を北米で発売しています。日本では2008年からグッドイヤーが「ベクター フォーシーズンズ」を発売、以来、年々知名度が上がっています。

 昨シーズン(2018年-2019年シーズン)まで、日本ではこの「ベクターフォーシーズンズ」、ミシュランの「クロスクライメート」、ファルケンの「ユーロウインターHS449」、そしてグッドイヤーのSUV用「アシュアランス ウェザーレディ」と、3ブランドから4商品のオールシーズンタイヤが発売されていましたが、今シーズンはさらに、トーヨータイヤと住友ゴムから相次いで市場導入されています。今後もこの流れは続きそうです。

国産タイヤメーカーが続々とオールシーズンタイヤを日本で展開する理由とは?

 今シーズン、まず登場した国産メーカーのオールシーズンタイヤは、トーヨータイヤの「CELSIUS(セルシアス)」があります。これはSUV向けの全天候型オールシーズンタイヤで、15インチから17インチまで、60から65シリーズまでの全6サイズを用意します。

 そして今回、ダンロップブランドで登場したのが「オールシーズンMAXX(マックス)」です。13インチから18インチ、45シリーズから70シリーズまでの全21サイズで、2019年10月1日より発売が開始されます。

2019年8月5日に発表されたダンロップのオールシーズンタイヤ「オールシーズンMAXX AS1」

 なぜ、ここにきて国産タイヤメーカーがオールシーズンタイヤを国内で販売するようになったのでしょうか。

 ひとつには、都会に住むユーザーからの要望があります。非降雪地域のマンションに住むユーザーの場合、履きかえたタイヤの置き場に困る人も多いといいます。そうした利便性から、オールシーズンタイヤに対するニーズが年々増えています。

 さらに道路インフラが整ったこともあり、非降雪地域の高速道路は真冬でもドライ路面のことが多いのも、ニーズに拍車をかけている理由です。

 オールシーズンタイヤは現在、ヨーロッパを中心に販売されていますが、欧州のリプレイスタイヤ(履き換え用タイヤ)市場では、すでに10%を超える占有率だといいます。また年々、その販売本数が増えているそうです。

 日本国内では、オールシーズンタイヤを販売していない日本のタイヤメーカーも、ヨーロッパでは展開しています。ということは、日本でオールシーズンタイヤを展開するにあたり、ゼロから企画/開発をスタートする必要はないわけです。

ただし、いくら流行の兆しがあるとはいえ、日本では冬用タイヤ市場は圧倒的にスタッドレスタイヤが中心で、オールシーズンタイヤはまだ認知度も低いです。

 まだ日本で展開していない国産メーカーのブリヂストンやヨコハマも、当然欧州向けのオールシーズンタイヤは持っています。

「ブリザック」「アイスガード」という人気のスタッドレスタイヤブランドを持つブリヂストンとヨコハマが、あえてオールシーズンタイヤを日本で展開するという判断を行うのかは微妙です。ただし、市場動向を見据え「いける」と判断したら、それこそすぐに国内展開を行う可能性もあります。

※ ※ ※

 とくに氷の路面(アイスバーン)においては、オールシーズンタイヤよりもスタッドレスタイヤの方が確実に短い距離で止まることができます。ですので、交差点がアイスバーンになっているような場所に住む、降雪地域のユーザーにおすすめできる商品ではありません。

 都会でも、雪が降った場合、何日も除雪されずにアイスバーンになっている道が各地にあります。自分の住む近所にそういう道がある場合、とくに坂の多い地域に住んでいる場合は、オールシーズンタイヤを履くのか、それともスタッドレスタイヤにするのか、いま一度考える必要があると考えます。

 スタッドレスタイヤもオールシーズンタイヤも、けっして万能タイヤというわけではなく、それぞれにメリットとデメリットがありますので、自分のカーライフにあわせて選択することをおすすめします。

高速道路の加速車線「先頭で合流」浸透せず 理由は「マナーに反するように見えるから」?

我武者羅
2019/08/12 12:39

高速道路の加速車線「先頭で合流」浸透せず 理由は「マナーに反するように見えるから」?

乗りものニュース
2019/08/12 06:00

本線だけでなく加速車線も渋滞するケースも。写真はイメージ(佐藤 勝撮影)。

高速道路のICなどから渋滞している本線へ合流する際、加速車線の先端まで走らずに合流するクルマが見られます。加速車線の先端まで走ることをためらう傾向があるようですが、この行為、悪影響も及ぼしています。

加速車線のあちこちで合流、危険も

 高速道路のICやSAなどから、渋滞している本線へ合流するのタイミングについて、NEXCO東日本関東支社は「加速車線の先頭まで走って合流してほしい」といいます。

 というのも、渋滞している本線に対し、加速車線は比較的空いているにもかかわらず、その先頭部まで走らずに手前で合流する、というケースがしばしば見られるからです。同支社によると、加速車線のあちこちで合流しようとするクルマが増えると、そのぶん本線を走る複数の車両にブレーキを踏ませるなどして、事故の危険が高まるばかりか渋滞を悪化させる可能性があるそうです。

「加速車線の先頭で合流」が実践されないことについて、名古屋高速を管理する名古屋高速道路公社は、「うまく合流できないことが怖い、早めに合流しておきたい、という心理からではないでしょうか」と話します。また、東京都世田谷区の自動車教習所、フジドライビングスクールの田中さんは、「前のほうから割り込むのは申し訳ない」という心理も働くと指摘します。つまり、混雑する本線を横目に加速車線を走っていくことが、マナーに反する行為だと考える人もいるというのです。

 名古屋高速道路公社では、お盆や年末年始といった多客期にSNSなどを通じて、加速車線の先頭で本線へ合流する「ジッパー法」を心掛けるようドライバーへ呼びかけています。本線を走る車両に対し、1台1台交互に合流していくさまを、ジッパーが閉じていくことに見立てた名称です。そうすることで、合流する側も本線側もスムーズな流れをキープできるといいます。

<あのころ>冷えた生ビールはいかが? 自販機が数寄屋橋に登場

我武者羅
2019/08/12 12:27

<あのころ>冷えた生ビールはいかが? 自販機が数寄屋橋に登場

共同通信
2019/08/12 08:00

1958(昭和33)年8月12日、東京・数寄屋橋に登場した生ビールの自動販売機。サッポロビールが設置したもので、店員から80円の専用メダルを買って投入すると冷たい生ビールが紙コップに注がれる仕組み。塩豆も付いているが、ビールの立ち飲みはなじみも薄く、客足はいまひとつだった。