チーム火鍋は、新しくラッパッパ四天王となった、シアター・カゴ・政令について話をしだした。
ウオノメ「とりあえず、3人ともさくらが転校してくるまでは、ウチらの学年では間違いなく喧嘩の腕はかなり上だったと思う」
カミソリ「へえ、何かお前らが2年生最強チームって言うから、てっきりお前らがこの学年で一番強いと思ってたけど……」
ゾンビ「何だよ、本当は大したことなかったんだな」
カミソリとゾンビの言葉を聞くや、カチンとくるチーム火鍋。
ドドブス「うるせえよ、ウチらは5人で1つなんだよ」
ジセダイ「第一、アイツらはグループには属してなかったから、グループじゃウチらが最強なんだよ」
カミソリ「ああ、そういうこと」
ゾンビ「それで、結局アイツらはどんなやつらなんだ?」
ウオノメ「まず、“政令”は一言で言うなら、視野の広さはマジ女1かもしれないな」
ここでカミソリとゾンビは、政令がマジ女1の視野が広さがあるということに疑問を持った。
カミソリ「視野がマジ女1広いって、さすがにおたべほどじゃないだろ」
ゾンビ「そうそう、マジ女全体を見通してるみたいだし、何せさくらさんが敬語を使ってるくらいだからな」
ウオノメの発言を全く信じず、笑いだすカミソリとゾンビ。
一方、チーム火鍋はまんざらでもない表情をしていた。
ドドブス「まあ、そう言った全体的な意味での視野は、おたべのが上だろうな」
ゾンビ「え?…それってどういう意味だよ?」
クソガキ「政令の視野の広さは、戦ってるときのものだ」
カミソリ「戦ってるときの視野の広さ?…何かピンとこねえな」
ジセダイ「アイツは、タイマンだろうが1対複数で集中してても、常に周りの状況見れるんだよ」
そう説明をされたものの、今いちよく分かっていないカミソリとゾンビ。
火鍋たちも伝わってないと感じ、話を“政令”から“カゴ”に変えることにした。
ウオノメ「……まあそれと、“カゴ”のことはよくは分からない」
それを聞いたカミソリとゾンビは、カクッと傾いた。
すぐに身体を戻して、少し呆れたような顔となる。
カミソリ「よく分からないって……」
ゾンビ「どういうことだよ?」
そう聞かれて、火鍋のメンバーは困ったように顔を合わせる。
そして、次にジセダイが口を開く。
ジセダイ「正直、ウチらの学年全員、“カゴ”があんなに強いなんて思ってなかったんだよ」
ドドブス「ラッパッパ以外の上の代の連中に付いてたからな」
ケンポウ「まあ、あれだな、え~と……能ある燕は爪を隠すかな……」
一瞬、周りが凍りついたような静寂に包まれ、ケンポウは慌てて他の火鍋のメンバーと、カミソリとゾンビを見渡す。
そして、クソガキが口を開く。
クソガキ「たく、相変わらず憲法以外は全くだな」
ケンポウは何が何だか分かっていなかった。
ケンポウ「え?…何言ってるのか分からないんだけど……」
クソガキ「だから、爪を隠すのは鳩だって」
再び“え?”という雰囲気が流れる。呆れたように次はウオノメが口を開く。
ウオノメ「お前も間違ってるじゃん。カラスだよ」
そして、その後も様々な鳥の名前が出てくるものの、結局“鷹”の名前が出てくるまでは長かった。
そして、ようやく“シアター”の話となった。
しかし、様々な鳥の名前を出し合ったためか、火鍋とカミソリとゾンビは、軽く息切れしてる状態だった。
カミソリ「そ、それで、シアターはどうなんだよ?」
ゾンビ「ウチらの学年でも、名前くらいは知ってるやつが多いくらいだしな」
2人の会話を聞くと、火鍋は何か顔を合わせる。そして、再びウオノメが口を開く。
ウオノメ「シアターは間違いなく、さくらが転校してくるまで、実力はウチらの学年で一番だろうな」
トドブス「それに、ウチらの学年で、ラッパッパに唯一対抗できただろうしな」
ジセダイ「でも、ラッパッパには一切興味はなかったな」
ゾンビ「それがなんで、今さらラッパッパにいるんだよ?」
ケンポウ「日本国憲法第22条、何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」
クソガキ「まあ、要するにアイツの気が変わったんだろ」
すると、ウオノメはある記憶がふと頭を過ぎった。
ウオノメ「そう言えば、何かさくらがソルトとタイマンした何日か後に、シアターと会ってたな……」