マジすか学園外伝 センター編 最終回 | くさだいらのマジすか学園 (小説)

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3年半後、2人は独立して中央マウス探偵事務所を開いた。



行動派のセンターと何もかもこなすネズミとのコンビは、同業者や警察からも評価を得る程であった。





依頼を終え、探偵事務所への帰り道をぼんやりと歩きながら、センターはあの出来事を思い出していた。


あの後、警察は紗理奈を逮捕するために、捜査本部を大きくして懸命な捜査を行った。しかし、時間が経つにつれて捜査は難航し、結局紗理奈を逮捕することはできなかった。


ちょうどこの頃、センターは桐山の下で探偵見習いとして働いており、そこに警部補がやってきて紗理奈を逮捕できなかったことを、頭を下げて謝罪をした。



紗理奈を逮捕することができなかったという悔しそうな警部補の顔は、今でも忘れられない。


そして、警部補は今でも紗理奈のことを追っているようだ。



センターの心身に深い傷を残した紗理奈の顔は、あの後もしばらく夢に出てはうなされていた。



いつか紗理奈が自分に復讐しに来るかもしれないと感じてはいたが、結局あの戦い以降紗理奈に会うことはなく、今となっては紗理奈が生きているのか、死んでいるのかすらもわからない。



街を歩いていると、あの頃のセンターと紗理奈に似た仲良しそうな小学生の姉妹とすれ違う。



センターはふと足を止め、その姉妹の方へ振り返る。


本当に仲が良さそうな姉妹を見ていて、チューリップ畑で紗理奈と仲良く遊んでいた頃の記憶を思い出し、一瞬だけ微笑むセンター。




再び探偵事務所に向かって歩きだす。






センターは自分の中にある時計は、両親の離婚と共に止まったままだと感じていた。


ネズミたちと出会い、少なからず時計の針は進んだかもしれない。しかし、紗理奈と再会してしまったあの日から、センターの時計の針は1秒も進むことはなかった。



そんな事を考えているうちに探偵事務所に着き、階段を上がって事務所の出入り口の扉を開いた。



どうやら依頼者が来ていて、ネズミが対応をしているようだ。




ネズミ「おかえりセンター」




すると、依頼者らしき3人の人物が、センターの顔を見るなり揃えたように言葉を発した。





パル・ピース・名無し「ノフナガ!!」


センター「はっ、ノフナガ?」






再びセンターの時計の針が動き始めた。







マジすか外伝 センター編 ―完―