心理学入門(4)  統合失調症と不安障害、治療効果の暫定性と永続性、人格一体性と記憶の解離、心因性記憶喪失と選択的記憶喪失

 

(訳注)これまで統合失調症と不安障害の話を中心に強迫症やチック症の話をしてきた、こうした異常心理学では複数の障害を持つ人も多くこれらを合併障害と呼んでいるが、残念ながらある障害の免疫は他の障害には役に立たない。いずれにしてもこれら統合失調症のグループの治療効果は暫定的で永続的にこれらの障害の再発の可能性からは脱却できない。次に最後のテーマである分裂性人格障害の話に移る。擬態的には人格というアイデンティティと記憶の解離の話である。人間に心の葛藤がある限り複数の思考の存在は当然のものともいえる。日常的にも思い込みや、現実と空想の混同さらには薬物による解離体験やアルコールによる記憶喪失などこの分野に関連する人格障害はさまざまである。これには大きく分けて3つの障害がある。分裂性記憶喪失と分裂性徘徊症と分裂性人格障害である。記憶喪失には心因性のものと選択的記憶喪失という日常的なものがある。心因性記憶喪失の代表的なものにPTSDがあり多くは女性の性的虐待や暴行から始まったものである。分裂性徘徊症はいわゆる人格の置換として知られ、自己を消して他人として生きることをいう。分裂性人格障害はアメリカだけの特徴と見られ世界的なものではない。

 

 

これまでは統合失調症と不安障害の話をしてきましたが、何か質問や意見はありますか。(学生)OCD強迫症とチック症の違いは何ですか。(教授)質問はOCDと強迫症の関係は何かですが、チック症は、あまり詳しくは知らないが、非常に特定的な強迫観念を持たない神経心理学シンドロームの一つです。(3100)無意識のうちにけいれんや震えを引き起こし,極たまに卑猥なことばやタブーな言葉を叫ぶものです。強迫症の広い範囲の中でも極特定の行動と同時に思考過程を示すものです。これが一つの違いを見る考え方です。(学生)一個人が双極性障害や統合失調症など複数の障害を持つことはあるか。(教授)その通りだ。ある障害は「合併症」と言われ、それらは同時に進行していくともいわれている。例えば深刻なうつ症の人、すなわち気分障害の人が不安障害を抱えることがある。だから一つが不幸にも別の障害に対して免疫性がないこともある。

 

(教授)質問は迷信的行為に関するものである。今まで考えたことがない面白い質問だ。(3207)多分それは迷信的行為の深刻さによるだろう。例えば人が科学的には証明されない「割れ目に乗ると、ママの背骨が折れる」と言う迷信を信じると、そういうことはなかったが、不運にも鏡が割れたら、それ見たことか、言った通りだろと言うのは害がない。その一方で奇妙な信仰の儀式のような迷信を信じて、注意深く歩きいかなる割れ目にも乗らないで歩くのに、乗ったら一度元に戻って歩きを何度も何度も繰り返す。この程度のレベルになると強迫症に頭を突っ込んだと言える。しばしば強制的強迫観念障害は宗教的な神霊的なものにとらわれて、一定の行為をしたり恐ろしいことをしたりしてそこから極端な迷信的行為が見られる(3311)しかし単純な迷信的行為とはタイプが違う。

 

(教授)質問は「統合失調症を持つ人は危険か」一般的には統計上そうは言えない。傷つけるというより一般的には犠牲者になりやすい。どちらかと言えば無気力であるが統合失調者が人を傷つける場合もある。例えば偏執狂的統合失調者が幻覚でもって誰かを傷つける場合があるが、ほとんどは迫害者であるより犠牲者である。彼らはより脆弱で他の人と何かを共有できないからである。自己防衛することができない。(学生)治療の効果はどの程度永久性があるか。(教授)質問は治療の効果はどの程度永続的か。統合失調症の場合ですね。(学生)治療をずっと続けなければならないか。(教授)一般的には、例外は考えていないが治療の効果は暫定的なものである。だからと言って強迫症の発作やうつ病が一生の治療を必要とすることは意味しない(3421)。例えば誰か緩慢なうつ症の場合にはプロザックやウエブロトリンを使えば仕事に戻って楽しく過ごすことができそこで治療を止めても彼らは問題はない。しかしNolen Hoeksema教授が指摘したように共同でスキルを磨けない限り彼らは再発して問題は繰り返される。つまり治療の現実的効果は常に暫定的である。特に統合失調症の場合ではしばしば彼らが不安症やうつ症の病気から抜け出して人の手助けをすることもある。(3501)

 

分裂症障害。ビデオクリップを見せます。終わってから戻ってきて少し話をします。少し思いかけないようだが質問をします。何人が彼は演技をしていると思うか。何人が彼の頭の中に描かれたように別の人が住んでいると確信を持つか。何人が確信が持てないか。君たちの何人が二つの心を持っていると思うか。ある意味では葛藤している。それでは彼の話に戻ろう。分裂障害とは解離が関係する障害である。その意味は文字どうり記憶の解離がある人を指す。ある意味では自分のアイデンティティや歴史の一部から分離した未知(3603)のものが時々特定の状況から生まれる。ある程度はこの解離は普通のことである。ここに持っているのはNolen Hoeksema教授が書いた異常心理学の教科書で多くの普通人が体験した分裂症のチェックリストである。「自分が何かをしたかどうか確かではないがただそう思い込んだだけかもしれない」今までそういう体験をした人は。普通のことである。

 

現実に思えるような空想が関係している」「まるで自分の身体が自分のものに思えない感覚」あえてこれに加えれば薬物実験がこれに類似した解離体験を引き起こす。「車を運転していて旅した覚えのないことが現実化し、独りなのに誰かが大声で語り掛ける」「鏡に知らない人間が映っている」普通はないだろう。これらは普通の範囲だがもっと深刻なケースには3つのタイプがある。分裂型記憶喪失。分裂型徘徊症、分裂型同一性障害の3つである。分裂型記憶喪失は何か怖いものを見た女性の物語として描かれ。結果としてその体験から彼女の記憶は最早思い出せないものになった。これはしばしば「心因性記憶喪失」と呼ばれ(3813)ている。ここで一つだけ間違えているのは記憶喪失である。時にはこれは選択的記憶喪失と呼ばれるが全世界的なものである。このビデオのケースでも人が記憶を喪失したのは何か怖い体験をしたときに一時的におきたもので後で戻ってみるとアイデンティティの一時的損失があった。考え方は何か恐怖体験をすると以前の自分のアイデンティティと記憶から自分が分離してしまう。

 

殺人願望を持った半分以上の人はある程度の分裂型記憶喪失になる。ここで問題はそのどのケースでもアルコール依存症と薬物依存症が関わっている。すなわちアルコール記憶喪失が引き金を引いている。(3901)あるいはまた人が嘘をついている。人が殺人を犯せば合理的には「私は何も覚えていない」と言って一定の距離を置こうとする。分裂性徘徊症も奇妙だが面白い問題である。ビデオクリップでもその男の妻は彼をそのままにさせている。6か月後にマイアミ海岸のバーで働き自分をMartinと呼んでいるところを発見された。彼は過去の記憶を全く忘れ去って新しい人格を意識していた。これもまた「心因性徘徊症」として知られている。これは世界的に記憶喪失だけではなく一種の人格置換でもある。家を離れ新しい人格を形成することを徘徊性と呼んでいる。これは私の好きな精神障害である。私が深刻な精神障害だったら私はこの障害になりたいのは旅ができるからだ。その心の旅が終わると古い人格が戻ってきて新しい人格は忘れ去られる。(4000)

 

そこから分裂性障害がある。ここに登場する女性の物語は彼女が普通の個人人格とわずか6歳児のDonnaの人格の間を行きつ戻りつする。これは最初は「複数人格障害」として知られていた。その考え方は一人の頭の中に二人以上の異なった人が存在することを意味したこれは稀有な議論の多い障害だがある有名ケースを含んでいる。今まで多くの映画や本で描かれ、そこには素晴らしい映画で「Primal Fear」というEd Nortonの有名な映画がある。これは犯罪予防をしようとしていた。Hillside Stranglerが二人を主張したが彼らは二人とも起訴されていた。(4100)これは初期の分裂のパターンである。ほとんどが女性で、ほとんどが性的暴行や虐待の記憶に関係することである。また君たちの質問に戻ると一つ以上の精神障害を同時に持つと、人はPTSDというトラウマ後のストレス障害という分裂性障害に陥る。その原因は何か。これはよく議論されることだが、原因はひどい虐待、性的な肉体的な虐待が原因である。問題はほとんどの人は虐待を受けてもそれ以上は分裂性人格障害が発症しないことである。

 

考えられるのは虐待プラス一種の遺伝的生物学的な分裂症になりやすい資質が存在し、分裂性人格障害の人は非常に感受性の高い人が多い。彼らは簡単に催眠術にかかりやすい。だから自己暗示にもかかりやすいのかもしれない。(4204)その人は恐怖状態に応じて自己催眠の失神状態に陥り新しい別の人格を作り上げる。多くの話をしてきた中でも、そのいくつかはまだ非常に議論が多く、その議論の一つの問題はいわゆる「抑圧記憶」というものが存在するかどうかの話である。これはまた非常に議論多い「抑圧記憶」のケースの話である。最近の調査によれば精神科医の4分の1以下はこの分裂性人格障害があると信じている。なぜそれが疑われているかというと、ある奇妙なケースの統計があるからである。1930年から1960年の間にアメリカでは2つのケースがあった。1980年代にはアメリカで2万のケースがあった。アメリカから外では分裂性人格障害のケースはどこにもない。(4303)アメリカだけの現象のように見える。

 

また治療専門家によっても様々である病院やある治療機関では数十年にわたって分裂性人格障害に該当するケースを見ていない。他の治療専門家は実質的に彼が見ているどの患者も複数の人格を持っているという。こうした事実の基づいて一つの懸念は分裂性人格障害はある意味で現実であり、Richardが実際に人格から人格へ移動する信じているが結果としてこれらの問題を持つ治療には来なかったということである。その主張は結果として治療専門家によることになった。治療専門家は一般的に良心をもって患者を助けようとするが、治療専門家は抑圧と複数人格と異なった自己の理論を把握して患者をこれらの別の人格を形成させた。(4406)これに関連して、分裂性人格障害が普通の心理学とどの程度違うのかかが明らかではない。哲学者のDan Dennettから心理学者のJuith Harrisまでが指摘しているのは異なった状況における異なった自己である。我々は意識的に異なった自己を演ずることができるだけでなく友人や家族や他人に応じて人格をシフトすることができる。その主張は分裂性人格障害はそれがどんなに劇的であっても単にこの拡張バージョンに過ぎず、すなわち人はある程度まで治療専門家や医者を喜ばせるように演技している。何か分裂性人格障害で質問はあるか。(4503)