心理学入門(3)  統合失調症の遺伝性、遺伝的要因と環境的要因、統合失調症と家族関係のストレス

 

(訳注)今日の話は統合失調症の遺伝性と環境因子と不安障害の話である。統合失調症の遺伝関係性は現在でも研究がすすめられている。その証拠は一卵性双生児の場合の発症率が50%だからだ。しかし50%と言うことは他に環境因子が50%を占めていることを意味している。他にも出生時のトラウマ説やウイルス感染設、パンデミックによる感染症説、猫の排せつ物にあるトキソプラズマの原因説などが主張されている。家族関係のストレスが原因だという説は一般的に受け入れられているがその証明は難しい。かってはドーパミン過剰説も支持されたがアンタフェミン精神病との関係が説明できなかった。さらに発展途上国では統合失調症からの回復率が高く先進国では少ないのは病気に対する家族の許容度と先進国の抗精神病薬の使用が関係していると言われている。いずれにしても未知の領域として将来につなぐしかないが、教授は通過障害だと言っている。不安障害も子供時代のトラウマが原因であると主張されそれによる過度の警戒心が不安症の病因であることは定説になっている。

 

 

 

多くの人が統合失調症の遺伝性の研究をしてきた。そこには強い遺伝性の構成要因があることは全く明らかである。家族構成員の誰かが統合失調症であるかに基づいて統合失調症になるリスクがどれほどあるかは明らかになっている。特に統合失調症の一卵性双生児の場合はその割合いは50%が統合失調症になる。同時にこの問題を性的志向性の話として考えると、一卵性双生児の場合は50%である事実は環境的要因も考えられることを意味している。(2002)もしそれが100%ならすべては遺伝子的要因と言える。一つの主張として遺伝子が統合失調症の脆弱性を作っているという見方があるが統合失調症になるかどうかはその環境がどう作用したかにもよることになる。神経過敏が一定の引き金を引いたことにもなる。ある引き金は早期に作用する。

 

統合失調症はに出生時のトラウマに伴って起きるという一定の証拠がある。他の証拠では統合失調症はウイルス感染と不可分であるという証拠もある。その例として統合失調症者の多くは冬に生まれている、微妙な差だが統合失調症者は冬場に生まれている。多くの人が冬に病気になっている。当時に一種の感染症や一種の疫病が流行ってそこから統合症患者が生まれる頻度が飛躍する原因になっているように見える。(2101)最近の研究では統合失調症は猫の排せつ物に含まれるトキソプラズマの可能性が指摘されている。基本的な実験はその両親が統合失調症かどうかを尋ねることから始まり、それに対して「子供が生まれた時に猫を飼ったかどうか」を質問する。もし答えがYESなら統合失調症家族の割合が非統合失調症家族より少し高いことで対応しているように見える。

 

また別の引き金はストレスの強い家族環境から生まれる。統合失調症は非統合失調症の家族よりストレスの強い家族環境から生まれる。我々はこの点について注意しなければならない。我々は一般的に個体差について話をするときは注意深く方法論的警告に戻らねばならない。思い出してほしいのは世界で最悪の研究の話をしたときにその一つの特徴は原因と結果を切り離す失敗に落ち込むことである。(2203)家族の環境を統合失調症になる割合に取り上げるのは難しいかもしれない。一方で統合失調症の子供や統合失調症になる子供を一定の方法で家族環境の要因として取り上げることも難しいかもしれない。つまり結果的に家族環境から後の統合失調症になるか、あるいは統合失調症から難しい家族環境へ結びつくかどうかははっきりしない。

 

かっては非常に一般的な原因はドーパミンの過剰だというのが統合失調症の理論だった。ドーパミンは神経伝達物質である。これが真剣に取り上げられた理由は、ドーパミンが減少する薬物を投与すると症状の緩和が見られたからである。ドーパミンの上昇する薬物を投与すると一時的に統合失調症の症状が見られたからである。(2303)「アンフェタミン精神病」と呼ばれるものである。統合失調症に似た症状を引き起こしたからである。幻覚や妄想のような症状である。そこにはこの理論に何か関係があるのかもしれないが今や二つの理由から完全性を失った。まず最初にネガティブな症状を説明していない。ただ幻覚や妄想を説明しているだけで感情の喪失、情緒の安定や不活発を説明していない。そしてまた一種の脳の構造の違い、ドーパミン理論より統合失調症は考えているよりもっと複雑な問題を疑わせる前頭葉の活動の減少に関係する脳の脳室の存在が見られた。この話は未知の存在として話を終わる。この謎はGrayの教科書に丁寧に書かれている。

 

統合失調症の症状や(2405)統合失調症の流行はどこにでも同じようになっているが、開発途上国では先進国より統合失調症のより良い回復率が見られている。それが何故か誰も分からないが、その可能性についてスライドに掲げた。一つは開発途上国ではより家族に多くの許容度があり批判されることが少なく、抗精神病治療が行われることが少ない。抗精神病治療は症状の軽減の手立てにはなるが同時に回復を損なう。そして最後に統合失調症を通過障害として考えてみたい。多分ある意味では何らかの意味で実際に起きていることに近い。

 

私がお話したい第二の障害は統合失調症の1%よりもっと一般的なもので古典的傷害として「不安障害」と言われるものである。(2500)不安障害の主要な妨害要因は不安である。人は多くの不安を抱える。それは永続的なもので不安とともに不安を減らすための不適切行動がある。誰でも不安の経験は持っている。何も不安を感じなかったらその人は非常に奇妙な人であり多分世間では全く機能しない人である。しかし不安障害を持つ人は多すぎる経験をするとそれが制御不能になり、不合理になり人生を滅茶滅茶にしてしまう。不安障害の人はわずかにはいる。不安障害を一般化して一番単純なのは20人に1人は人生のどこかでいつも心配ばかりしている麻痺症状が出て身体的症状は頭痛や腹痛や筋肉の緊張や怒りっぽくなることである。(2601)ある証拠では一般化した不安障害は遺伝性の構成要素がありある程度は主要なうつ病に関係している。

 

これはある程度子供時代のトラウマにルーツを持っている可能性があるように見える。あるモデルケースの人々は若い時に何か本当に不運なことに見舞われたことである。これが人を過度な警戒心を持つようにさせた。世間を信用しない。悪いことは常にどこでも起きる。過度な警戒心のゆえに人は困難な事件のあとも不安障害を一般化し発展させる傾向にある。二番目の不安障害はすでにクラスで話したもので恐怖症と言われ恐怖が集中し無分別な恐怖へと発展する。彼らは対象やイベントとや社会的背景に焦点を合わせることはできる。(2700)ここに人々が恐れる割合を示した素晴らしい異なった恐怖、異なったものの図表がある。この図表のポイントはその詳細ではなくもっと誰もが恐れるもの多くの人が恐れるものとそう多くはない人が恐れるものである。前回の講義から大きな恐怖対象は蛇である。約4割の人は蛇が怖いと言っている。ここではどれだけの人が蛇が怖いだろうか。

 

それから実際に恐ろしいものでネズミがいる。どれだけネズミが怖い人はいるか。世界ではネズミが一番怖い人。それから猫、猫が実際怖いという人は異常だろう。猫が怖いという人はそう多くはない。我々が良く知っている古典的な恐怖の条件付けモデルがあるがなぜそうなのかは理論的には分からない。多くの人が恐れる(2800)蛇でも決して悪い体験をしたわけではない。さらに多くの人も交通事故やソケットの感電や銃撃のような悪い体験が恐怖症を引き起こしたわけではない。そこから出てきたのが「準備理論」と言われるものである。そこでは我々は進化の歴史の中で一定の恐怖の対象に対して感覚を進化させてきた。そして我々はこの恐怖の反応を発展させてきた

 

最後の不安障害は「強迫的強制障害」である。強迫観念は意識の中に割り込んだ不合理な妨害思考のものである。これは人口の2から3%はいて衝動脅迫を引き起こす。これは強迫観念を取り除くために衝動的反復行為に結び付く。(2900)例えば汚いことに強迫観念を持つかもしれないが、人の手は汚いし不潔なものである。それが強迫的な手洗いにつながる。神が怒ると信じて強迫的な祈りをささげる。清浄と宗教は強迫的強制障害の共通のテーマである。合理的にはこれらは不合理な行為だがそうせざるを得ない。ときどき私が心配するのはドアをロックしなかったかもしれないと、家に戻ってチェックすることである。しかし私の感じではそれは強迫症からロックしたのを知っていても実際にロックしないと気が済まないのは強迫的強制障害と同じものである。合理的には分かっているのに手を洗いチェックするのはどうしようもない。チェックするのはもっとも一般的な強迫観念で神経心理学的な現象のようである。少なくともこれは高められた尾状核の神経活動に関係している。(3001)面白いのは強迫的強制障害はまさにフロイト派の障害の精神分析のように見えるが実際はセロトニンに影響を与える薬物に関係している。セロトニンは神経伝達物質でこの強迫的強制にはよく効く。つまり強迫症問題に関係する障害を発症すれば単に薬剤投与で治療できる。(3038)