11月28日と29日の二日間、タッチドローイングを体験した。
始めにドローイングのための儀式をする。
それから、板の上にローラーで絵具をぬり、その上に薄い紙を置いて、感じるままに手で描いてゆくということを、10回ほど繰り返してゆく。その間、ファシリテーターは、静かな音で、楽器を奏でたり、歌をうたったりして、その場をホールドしている。
描き終わってから、一枚一枚の絵に題名をつけてゆき、そこから感じることなどを語ってゆく。
私にとって今回は三回目の体験で、今までは、一日だけの参加だったけれど、今回は二日間にわたって参加したので、色々と新しい体験があってとても面白かった。
タッチドローイングでは、頭で考えてもわからないことが、絵という形で表現されることで、今ここの自分自身への気づきが深まり、心の整理がついたり、先へ進む勇気をもらえたりする。
描いたものを順に並べてゆくと、そこに一つのストーリーが展開して、そこに登場した存在から色々なメッセージが与えられる。
今回私がつけた絵の題名は、「ぬくもり、鳥の森、まじりあう、分かれて立つ、一緒に泳ぐ、あこがれてジャンプ、歌う花、楽しげに上昇、緑の炎、自由に飛ぶ、歌をうたう大きな熊、広がるハーモニー、みどりの光」
二日目に描いたものは「強いうずのエネルギー、上昇し広がるエネルギー、降りそそぐもの 包み込みうけとめる、精霊の木、くねくね踊る花、大海原で楽しげに歌う人魚、海の中から立ち昇り吐息をはく龍、私の顔(女王)、私の顔(菩薩)」
二日間の内容は、つながっていて呼応しあうものがある。
私の中に、森のエネルギーと、海のエネルギーがあるのがわかった。
そして、「楽しげに、歌う」というキーワードが出てきた。
最後の作品は、インクをふき取るために紙を置きローラーをかけるので、一つ前の作品と、ポジとネガの関係になっている。
私の場合、並べてみると、ネガのほうが、深みがあって心にしっくりと感じる。
家に帰ってから、三年前のものと、二年前のものを見てみると、自分の成長がわかったり、同じキャラクターが登場していて、ストーリーがつながっている。
タッチドローイングで大切なのは、場をつくりそこを支えるファシリテーターの存在である。描く技法は、難しいものではないけれど、その人がどれだけ深く豊かに、自分自身の内面と関われるかは、目には見えないけれど、場のエネルギーが大きく関係してくる。
当然ながらその時集まったメンバーによっても、場の深まりは違ってくる。
今回は私にとって、最高に素晴らしい場であった。
ファシリテーターの倉田順子さんは、私が尊敬する友達である。アメリカ人のデボラさんが産み出したタッチドローイングを日本に紹介してくださっている唯一の人である。
そして何をする場合でも大切なもう一つのこと、心と体をゆるめてリラックスするということを、「なごみのヨガ」でリードしてくださったり、会場を手配してくださったもう一人の友達、酒井美智代さんの存在も本当に有難かった。
タッチドローイングのワークに参加する以外にも、もう少し手軽に、でも十分に深く、その世界を体験できるものがある。
それは、最近アマゾンで発売された「塗り絵」である。
五つのテーマに分かれていて、今回私は、その中で「愛に心をひらく」というテーマのものを買って、一番心ひかれる絵から順に、色をつけていった。
塗り絵といっても、線はシンプルで、その絵から感じることも人それぞれなので、自由に自分の描きたいものを足してもいける。
愛について、デボラさんが、さまざまな切り口から描いた絵は、なじみのない人にはちょっと不思議なものもあるけれど、頭であれこれ愛について学ぶより、色彩のもつ力と絵が発するメッセージを感じることで、私の中の愛が強く育っていくように感じる。
今回のタッチドローイングでは、描いたものの中から二つ選んで、色をつけた。
私は「歌をうたう大きな熊」というのが面白くて心魅かれた。この絵を描いた時はなんとなく熊を描きたいと思いついて、手を広げ空を見上げて歌をうたう熊を描いたのだけど、なんか足りないなと思って、なんとなく熊の足元に針葉樹を描いた。そして「あれっ」と思った。さらにその木々の後に山を描きたくなって、山を描いた。それらによって熊が一気に巨大化したのだ。(この熊に対して人間は蟻ぐらいの大きさになる。)
家に帰ってからも、この熊の絵をながめていると、心がわくわくしてくる。
そして気づいたことがあった。
私の心の中に傷ついたインナーチャイルドがいて、その子はいつもうずくまって小さくなって心を閉ざすポーズをしていた。
山より大きい熊は、それと間逆のポーズをしているし、楽しげに歌っている。
私の中には、繊細で傷つきやすい子供もいるけれど、何物も恐れることのないこんな熊もいるのだと、じわじわと嬉しい気持ちになる。
タッチドローイングをする前は、予想もしていなかった熊の出現は、びっくりぽんの面白いプレゼントだ。