バレリーナへの道Ⅱ | 晴走雨読 菊千代

バレリーナへの道Ⅱ

ゴキブリのように壁をつたって、レッスンスタジオに入ると


やはり男性は私一人、あとはバレエのキャリアのありそうな女性ばかりで


静かにストレッチされてます。


ウウッ・・・


最初スタジオの片隅で小さくなってましたが、


怪しい人物と思われそうなので、開き直って


「初めてですのでよろしくお願いします。」と先制のジャブを出しました。


すると、「私達も初めてのようなものなのよ、オホホ・・・」


と、優しそうな年配の女性が笑いながらクロスカウンターを返されました。




レッスン開始時間になりました。


そして今でも忘れられない劇的な最初のオープニングでした。



先生が右手を上に、左手を横にふんわりと広げたと同時に、右足脚線美を前に柔らかく出し


「よろしくお願いします。」とおじぎをされました。


それはまるで白鳥が目の前で踊っているような、まさしくバレリーナの挨拶でした。



すると生徒の皆さんもそのポーズで挨拶を返されたのです。


ドシェ~ ががん


私目が点となり、


どう挨拶をしていいのか分からず、顔を引きつらせながら最敬礼をするのみでした。


とうとうあこがれのバレエレッスンに突入したのです.



最初は股関節、腰椎、ハムストリングなどを伸ばすストレッチでした。


これは、ヨガのポーズと似ていました。


やっぱりそうだったんです。


すべてのプラクティスの基本は共通しているのだなと


変な感動をしていると、次はバーを使ったレッスンにはいりました。


バーに片手をそえ、足を左右に手を上下に動かす動きです。


背中まっすぐに、肩の力を抜いて、首から胸がきれいに出るように


股関節から足を動かしてとていねいな指導を受けましたが、


私はこの動きに全然ついていけず、まったく逆の足をだしたり引っ込めたり


冷や汗ものでした。



続く歩くレッスンも難解でした。


先生は、腰が高く舞台で踊っているような姿勢で優雅に模範演技をされましたが、


私のはどう見ても、あほの坂田がよよよと歩いているかのようなしろものでした。


最後は腹筋、タオルを使った肩回しなどのプラクティスもありましたが、


おもしろいもので股関節や肩甲骨の硬い自分の欠点が、基本の動きではっきり判りました。



私にとって最初のレッスン、基本がまだ全然できてなくて、というよりすべてが出来なかったのですが


ワルツや、ブーべの恋人などの音楽に合わせてのレッスンははとても新鮮で楽しく、


歴史と伝統をもった芸術をこれからも楽しみたいなと思いました。