そこでイマニャーカの本です | 晴走雨読 菊千代

そこでイマニャーカの本です

1996年、イマニャーカはイタリアのポルティというチームに所属し、日本人で初めてツール・ド・フランスに

出場した。3週間でフランスを1週するレースである。


アシスト役である彼は、献身的にエース、フランス人のルブランのため信じられないような走りをした。体調を崩しながらも神がかり的な精神力で彼は走った。しかし、14ステージで・・・


その年のツールのダイジェスト版がNHKで放送された。14ステージのゴール、イマニャーカが来ない。カメラは集団から遅れたイマニャーカをずーっと待った。


集団のゴール約20分後ようやく彼はよろよろとゴールにたどり着いた。そしてチームカーへ進んでいった時、監督のスタンガがやさしい目をして両手を広げて迎えた。スタンガは言った。

「ここまでよく走った。」


エースのルブランも「ありがとうイマニャーカ」と声をかけるために、宿舎へ帰らずゴール地点で待っていてくれた。


やせ細りぼろぼろになったアシスト・イマニャーカはその役目を終え、嗚咽しながら背中を丸めレースカーに乗った。14ステージ・リタイアである。そのシーンは今も覚えている。(もらい泣き クックックッ)


この本は今中大介の自転車の出会いから、プロロード選手の思い出、シマノ時代の部品開発の話、トレーニングの方法や、最新のパーツについてなど、自転車に関する魅力が一線の現場から語られている。

今中 大介
今中大介のロードバイクバイブル