山崎ナオコーラさんの、『母ではなくて、親になる』を読む。

 

タイトルと、ヨシタケシンスケさんの表紙に惹かれて手に取った。

 

「母ではなくて、」という言葉にたいへん共感する。

 

自分が子育てするとなって、予想を遥かに超えて思うようにならないことに日々直面した。

自分の中の「母」のイメージと自分自身の容量にかなりギャップがあって。

子どもは、驚くくらい私のこと大好きなのだが、それを受け止める度量がなかった。

 

母業むずいと思って育児本読みまくってたときに、

何かの本に、

「母だからというより、自分は子どもよりだいぶ先に生まれたのだから」

みたいなことが書いてあって、ハッとした。

それ以来、子どもにイラッとしたときに

「いや私は子供よりかなり長く生きてるんだから一旦落ち着こう」と考えるようにした。

そのことは「私はオカアサンだから」と思うよりだいぶ気持ちを楽にしてくれた。

「母」という言葉の呪縛力ってすごい。

 

『母ではなくて、親になる』では、出産から一年、子どもとの生活の中で、ナオコーラさんの独特な視点で考えたことを、言葉を尽くして記録している。

 

作中、いくつか本の引用があるのだけど、私の大切な本がたくさんあった。

 

 星梨木香歩さんの『裏庭』

 

 星大島弓子さんの『サバの秋の夜長』(「あんたのためにということばはいついかなるときも美しくない」)

 

 星村上春樹・フジマトマサルさんの『村上さんのところ』(要約「批判に対しては規則正しく生活すると良い」というようなこと)

 

 星黒柳徹子さん『窓際のトットちゃん』 海のもの、山のもの

 

過去に読んで、好きだった本たちが不意に出てきて、嬉しかった。

そしてそれぞれの言葉たちが変わらずまた私の滋養になる。

 

著者紹介見たら、ナオコーラさんと私は同世代。やはり。思い出を共有しているようで嬉しくなる。

 

ナオコーラさんの言葉が、曖昧にしてきた自分の弱点を浮き彫りにしてくれる。

「「勝手に頑張って、そのあと勝手に文句を言う」ということを避けるためにも、やりたいことはやった方がいい。」という文章は、

まさにこれやっちまってたなと、ほんとやりたいことやろう、と思わせてくれた。

 

本の中で、当時、ナオコーラさんの街に新しくできた市民図書館には、ナオコーラさんの著作が無かったと書いてあったけれど、

現在私の利用している図書館にはたくさん並んでいますよ〜とナオコーラさんにお知らせしたくなった。