自分の世界へ行ってみたい。
 
この一心で自分へ向かって振り落とされた包丁はあばらのど真ん中を貫いた。
 
人間ってこんな薄っぺらいものだったっけ。
 
そんなことを思う暇なく意識が遠のいてゆく。
 
遠くでは走り屋のバイクの排気音が聞こえる。
 
これで自分の世界へ逝ける。
 
僕はきっと安らかな顔をしていることだろう。
 
一瞬寂しくなったが気のせいということにしておこう。
 
さようなら現代。
 
綺麗で不気味な自分の世界。
 
どんな冒険が待っているのだろう。
 
楽しみで胸が高鳴った。