或るヒヨコの一生 前編53
「今日はヒヨコの話するわ」byエミちゃん(岸和田少年愚連隊より引用)
僕が今までに大切に子供を看るが如く世話してきたペット達は魑魅魍魎祟りの所以か非業の死を迎えています。固化澱粉へと朽ち果てた熱帯魚軍団も然り、これからお話するヒヨコも僕に養われた所為か、誠に数奇な運命を辿る事と成ってしまったのです。
飴の中に林檎を入れる意味がどうしても解らなかった小学4年生の頃。家族総出で毎年突如として空き地にその大きな姿を現す夏の縁日へと駆け出していったのでした。
神々しく煌々と光る縁日の会場は外界の闇を更に濃厚な黒へと彩り、入場した瞬間から烏合の衆の熱気やら白く輝く電光やらで昼間とも違えるスペクタクルを眼前に描いていたのでした。
見物客の絶える事ない金魚掬い、宝石の様な目を格段と光らせる子供達の集まるお面売り場、大人さえも顔面蒼然が売りのお化け屋敷。
どこのお店でも意気軒昂としてそれぞれのストーリが見え隠れしておりました。
浴衣を着こなしたうら若き乙女達。手を繋ぎ合いエターナルメロディを奏でながら歩みを進めるカップル達。きっと会場を後にした途端に彼氏からホテルへと連れられて、指とかチンポとか入れまくり出しまくりスパイラルの淫乱に乱舞するアバンチュールな夜を過ごすのでしょう。
誰にでも各々の美しい人生が万華鏡のような模様ではっきりと映っておりました。
そんな賑やかに過ぎる人や屋台を微笑み観察しながら、やたらと明るいある一角に差し掛かったときです。「ヒヨコ釣り」とポップなフォントの勢い良く躍る誇大に掲げられた看板を発見したのです。
父親とつむじ風のように走り近付き中の様子を窺ってみると、無数にいるヒヨコの群れが竹竿に付けられた餌のようなもので釣り上げられるという非人道的、動物愛護団体の一員でなくとも憤慨に堪えないゲームが繰り広げられていたのです。
まぁ正直言うとそれは他人の意見であって、僕は全然気にしないような輩ですので、ここはヒヨコ釣りをレッツエンジョイすることにします。
少々値段の張った500円を惜しみなくオジサンに渡し、一本の竿と餌を受け取ります。竿から垂れた糸に餌をガッチリ括りつけ、いざ勝負。
するとね一匹釣れたのよ。薄黄色の毛に包まれた愛らしい目のヒヨコが。
・・・ 一本釣りに成功して、オジサンから空気孔の開いた窮屈な袋に閉じ込められたヒヨコを受け取った時に思ったね
「これどないすんねん」
まさしく、好きな女の子の芳しい部屋で無意識に竿を擦っていると止まらなくなって発射してしまった時のデカダンスな状況。急に現実に引き戻された軽挙妄動クセのある少年よーよーだったのでした。
このままゴミ箱に捨てるわけにもいかんし、これはペットとして飼うよう父親に説得するしかない!真剣に家で飼うことについて討議していると、後方から一時別行動をしていた妹と母親が遣って来たのです。一匹のヒヨコを片手に。
「ワオ」と、お前らは外国人かと言わんばかりの感嘆詞をリバーブエフェクトの効いた声で両親が同時に発したからに、僕達子供は笑いに笑った。
ぐうの音も出ない程やられた顔を作る父親。欣喜雀躍して喜ぶ兄弟。
そんなこんなでヒヨコが家のペットリストへと加わったのでした。
僕が今までに大切に子供を看るが如く世話してきたペット達は魑魅魍魎祟りの所以か非業の死を迎えています。固化澱粉へと朽ち果てた熱帯魚軍団も然り、これからお話するヒヨコも僕に養われた所為か、誠に数奇な運命を辿る事と成ってしまったのです。
飴の中に林檎を入れる意味がどうしても解らなかった小学4年生の頃。家族総出で毎年突如として空き地にその大きな姿を現す夏の縁日へと駆け出していったのでした。
神々しく煌々と光る縁日の会場は外界の闇を更に濃厚な黒へと彩り、入場した瞬間から烏合の衆の熱気やら白く輝く電光やらで昼間とも違えるスペクタクルを眼前に描いていたのでした。
見物客の絶える事ない金魚掬い、宝石の様な目を格段と光らせる子供達の集まるお面売り場、大人さえも顔面蒼然が売りのお化け屋敷。
どこのお店でも意気軒昂としてそれぞれのストーリが見え隠れしておりました。
浴衣を着こなしたうら若き乙女達。手を繋ぎ合いエターナルメロディを奏でながら歩みを進めるカップル達。きっと会場を後にした途端に彼氏からホテルへと連れられて、指とかチンポとか入れまくり出しまくりスパイラルの淫乱に乱舞するアバンチュールな夜を過ごすのでしょう。
誰にでも各々の美しい人生が万華鏡のような模様ではっきりと映っておりました。
そんな賑やかに過ぎる人や屋台を微笑み観察しながら、やたらと明るいある一角に差し掛かったときです。「ヒヨコ釣り」とポップなフォントの勢い良く躍る誇大に掲げられた看板を発見したのです。
父親とつむじ風のように走り近付き中の様子を窺ってみると、無数にいるヒヨコの群れが竹竿に付けられた餌のようなもので釣り上げられるという非人道的、動物愛護団体の一員でなくとも憤慨に堪えないゲームが繰り広げられていたのです。
まぁ正直言うとそれは他人の意見であって、僕は全然気にしないような輩ですので、ここはヒヨコ釣りをレッツエンジョイすることにします。
少々値段の張った500円を惜しみなくオジサンに渡し、一本の竿と餌を受け取ります。竿から垂れた糸に餌をガッチリ括りつけ、いざ勝負。
するとね一匹釣れたのよ。薄黄色の毛に包まれた愛らしい目のヒヨコが。
・・・ 一本釣りに成功して、オジサンから空気孔の開いた窮屈な袋に閉じ込められたヒヨコを受け取った時に思ったね
「これどないすんねん」
まさしく、好きな女の子の芳しい部屋で無意識に竿を擦っていると止まらなくなって発射してしまった時のデカダンスな状況。急に現実に引き戻された軽挙妄動クセのある少年よーよーだったのでした。
このままゴミ箱に捨てるわけにもいかんし、これはペットとして飼うよう父親に説得するしかない!真剣に家で飼うことについて討議していると、後方から一時別行動をしていた妹と母親が遣って来たのです。一匹のヒヨコを片手に。
「ワオ」と、お前らは外国人かと言わんばかりの感嘆詞をリバーブエフェクトの効いた声で両親が同時に発したからに、僕達子供は笑いに笑った。
ぐうの音も出ない程やられた顔を作る父親。欣喜雀躍して喜ぶ兄弟。
そんなこんなでヒヨコが家のペットリストへと加わったのでした。