ロシアにT-14アルマータ戦車というものがあります。

旧ロシア製戦車はT-72やT-90を含め湾岸戦争から、イラク戦争、シリア内戦、ウクライナ戦争などで車両が破壊された映像が多数ネット上にはアップロードされていますが、西側戦車と比較し、脆弱な印象持たれる状況となっています。今回の登場したT-14アルマータ戦車は、これらの苦い経験を生かして設計となっているように感じられます。

 


先述したように、旧ソビエト系の戦車は、着弾時、特に装甲の薄い側面に着弾した時には、搭載している弾薬に一瞬で火気が回って、甚大な被害が生じてしまうということが大きな欠点とされています。この設計自体は合理的な設計であり、人を含め、弾薬など重要な部位を狭い範囲に配置しその部分を集中防御することにより、戦車の生存性を高めるという構造となっています。

 


これは、砲塔設計の制限などがあるのでしょうが、一貫して旧ロシア軽戦車では採用されており、決して悪くはない設計とされています。しかしながら、その防御を突破されたときには一気に破壊が進行し、よく報道されているような状態になってしまうのショッキングな映像であり、本国のロシア兵はもとより、輸出先に対しても印象は良くない状況となっています。

 


今回の開発されたT-14アルマータ戦車電は乗員の生存性を飛躍的に高める乗員保護シェル、125mm滑空砲を採用した完全無人砲塔、洗練された火器管制システム、直近でミサイルなどを防御するアクティブ防御システムや反応装甲の採用など旧ロシア系の欠陥を修正し、総上、西側の戦車の性能を凌駕するべく設計されたように見受けられます。

 


ロシアはもちろんこの戦車を旧来の戦車から入れ替えていくつもりだったでしょうが、2015年の発表後(名前から言えば2014年に設計終了なのかな)10年間、量産配備されたという話は聞きませんし、ごくわずかに砲撃をしたとの報道はあるものの積極的にウクライナ戦争でも投入されたという話も聞きません。もちろん、虎の子の最新戦車が鹵獲される危険性のある戦場に配備するには、ロシアとしてもリスクがあるから実践投入は行っていないのというところはあるのでしょうが、戦時経済下(戦時経済下でなくてもかもしれませんが)では、実際には量産が困難であり、戦車部隊として投入できる部隊がそろっていないということは容易に想像できます。

 


おそらくは、この戦車は西側戦車と対等以上の能力を持たせる設計をしてしまっているために、西側戦車と同じ欠点を有することとなってしまったのではないでしょうか。その西側戦車の最大の問題点とは、早い話値段が高いこと、つまりコスト高ということです(あと重い)。つねに、西側諸国では高性能ですが、高価な戦車の補充に頭を悩ましてきていました。一方、ロシアは最大の長所である比較的安価という利点を生かして、戦車を大量に生産し、多数のの戦車を製造保有することにより広大な領土に対応してきました。しかしながら、このT-14は旧来のT-90系統に比べて相当に高価となってしまい、素人想像ですが、T-90シリーズの倍以上の値段がしてもおかしくはないでしょう。このような高価な戦車をおいそれとは戦場に投入できないのが本当のところではないでしょうか。

 


さて、ウクライナ戦争で、甚大な損害が生じているロシアでこのT-14アルマータは今後どのように運用されていくのでしょうか。その未来は決して明るくないでしょう。今回の戦争で莫大な数の戦車を損失したロシアは、このウクライナ戦争がどのような形で決着しようとも、その失った戦車の補充を進めていくでしょう。その際にT-14アルマータのような高価な戦車を数多く取得する可能性はあまり考えにくい展開です。戦後はおそらくはT-90の再取得あるいは劣化版T-14を取得することになるのでしょう。すでにドローンの登場により戦車の戦場の環境が大幅に変わっていっている今、T-14アルマータの設計思想も大きく変革していくことでしょう。今後の戦場は少数の有人戦闘車と無人戦車、防空システム、ドローンシステムが複合的に合わさったシステムとなるのが容易に想像できます。次に生産再開されるときにはT-14ではないのかもしれません。

個人的評価
    悪 ↔ 良
見た目 ★★★★☆  わりとかっこいい
先進性 ★★★★★  無人砲塔、カプセル上院システムなどフルスペック
性能  ★★★★☆  スペックはよさそうだが・・・
コスト ★☆☆☆☆  おそらくイニシャルもランニングも高い
調達性 ★☆☆☆☆  ごく少数しか生産されていないため悪いと思われる。
総合  評価せず   量産されていないため