2008年製作/116分/日本

配給:アスミック・エース

 

あらすじ

 

人気少女漫画家・大島弓子が飼い猫との日々を綴った自伝的エッセイ漫画を「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」の犬童一心監督が映画化。吉祥寺に暮らす漫画家の麻子は、愛猫サバが死んだ悲しみで漫画が描けなくなり、空虚な日々を送っていた。そんなある日、麻子はペットショップで運命的に出会った子猫を、グーグーと名付けて飼うことに。

 

え?それ動物映画ではなくない?との声が聞こえてきそうです。

確かに本作品は別に「動物映画」ではない。でも、「動物が最高な映画」ではあるんです。

 

主人公は実在する少女漫画界の巨匠大島弓子。

いわゆる今で言うところ“おひとりさま”の先駆け的な女性で、これは同名原作も「吉祥寺」や「猫飼い」や「ソバージュ(笑)」と言った、現代おひとりさま女性達の垂涎対象がこれでもか!と詰め込まれた作品なんだな。

 

漫画時点ではグーグーも大島氏もめちゃくちゃマンガチックで二次元な世界観だったので、これが実写化されるのはどうかな?と思いきやスゴく素敵な映像作品に仕上がったんです。というのも、小泉今日子さんや加瀬亮さんなどの「ちょっとフワンとした人たち」が人間キャストを演じることで独特の大島弓子ワールドが守られ、さらにはグーグーが、なんと「そのまんま、モロ、猫。」で登場するんです。

セリフなんてもちろんないし、猫は最後までただの猫。

 

それ故に、逆にそののびやかな歩き方、ゴーイングマイウェイ的な態度がどこか“異質”なんですよ。

人間ドラマのど真ん中にキャスティングされているのに、よもや主役でありながらそれは語りもしないし人間達と同様の動作もしない。

 

人間と呼ばれる生き物がたった1匹の猫に翻弄され、勝手に励まされ、気づかされて前を向く。

 

そこにグーグー自体はいつも存在し、ふっと消え、また春の陽気のように気まぐれに姿を現すんです。

人間ってめんどくさいな〜、くらいのテンションでね。

 

「そうなんだよな、人間ってめんどくさいんだよな」

 

って呟いてしまいそうになる、優しいトーンの映画です。

 

ある程度「おとな」じゃないと観られない余白の多い映画なだけに、おとなの皆さんには是非観て欲しいと思って1位にしてみました。