1988年製作/アメリカ
原題:Gorillas in the Mist
配給:ユニヴァーサル=ワーナー・ブラザース
あらすじ
絶滅の危機に瀕していた中央アフリカ・ルワンダの山岳地帯に棲息するマウンテンゴリラに限り無い愛を注いだ米人女性動物学者ダイアン・フォシーの後半生を描く。絶滅の危機に瀕しているという中央アフリカの山奥にだけ棲息するマウンテンゴリラを救うため、婚約者を米国に残し、単身アフリカに向かったダイアン・フォシー(シガニー・ウィーヴァー)をナイロビ空港で出迎えてくれたのは、彼女の協力の申し出を受け雇ってくれたリーキー博士(アイアン・クスバートソン)だった。
タイトルだけ聞くと、この映画を知らない皆さんはなんだラブロマンスか何かか?と思われるに違いない。
こちらの作品、原題は『霧のなかのゴリラ(Gorillas in the Mist) 』と言います。
ご、ゴリラ・・・ってなりますよねわかります。
でも僕はこれを1位に持ってくるか最後まで悩んだんです。観ていただければ「タイトル、そないなるわ……」って感じていただけること間違いなしなので、古い映画ですが是非ご鑑賞いただきたい。
ではなぜ3位にしたのかと言いますと、それはこの作品が「愛は霧の彼方に」なんてメロウなタイトルが全然過剰ではない、極めてナルシスティックで独善的な内容だからです。
上記のあらすじはちょっとわかりにくいのでもっと端的にすると「ゴリラ研究者の主人公が最愛のゴリラを密猟者に殺され、怒髪天を衝いて密猟者のテントを焼き討ちする復讐劇」です。
往々にして研究者やドクターという人たちは偏愛的なこだわりを持っているものです(Dr.ストレンジラブよろしく)。
ですが、その愛が故に彼らはしばしば、「人道的か」と聞かれると口籠もらなくてはならないシチュエーションに陥ってしまいがち。
本作もまさしくそうで、「いや、あんたはええかもしらんけど」みたいな興醒めポイントがわんさか含まれているのです。
ですがわざわざ紹介しているのですから僕はこれが好きですし、興醒めまでいかず、せせら笑いくらいで観れるんです。
なんでかと言いますとね。これは僕の勝手な思い込みですが、前に紹介した2作(『グーグーだって猫である』、『ライオンキング』)とは明らかに違って、この作品は動物という登場キャラクターに対して、況や「動物性愛」、ズーフィリアの視点から描かれているからです。「ラブロマンス」の表情を孕んでいる、と言ってもいいかもしれませんね。
今でこそ多様性の時代じゃなんだとやかましい時代になりましたが、1988年ですよ、コレ。
すごくないですか?この(まだジャニーズが結婚なんて想像もつかなかった)時代に、この作品はゴリラと女研究者を『ゴースト』ばりに見つめ合わせて長回しのシーンを撮っている。
それがまた絶対に必要なシーンなのだから脱帽です。
でも考えてみれば、最愛の対象が動物であったって、別にいいじゃないですか、ね。
動物にフォーカスしてお話しすると、上記2作品が「猫」「ライオン」と、商用作品ではポピュラーな動物が主役なのに対し、本作の「ゴリラ」って『キングコング』ぐらいでしか馴染みのない動物ですよね。
そんな方も、観ているうちにゴリラが好きになることうけあいです。
どことなく人間に近い動物なので、悲しい表情はとてつもなく悲しい気持ちにさせてくれるのです。
最後にお伝えしておきたいのが、この作品はフィクションではないということ。
どうでしょう、一気に観たくなったんではないですか?
何はともあれ良い意味でも悪い意味でも“ショック”を受けられる作品なので、未見の方は一度ご覧になってはいかがでしょうか。