前日から胃が痛かった。
「横にいる人間が先に緊張していたら、緊張できへんよねぇ」と隣りにいる人に話しかけると
「おお、そやな」と笑っていた。
こんにちは。
星野えみです。
昨日はJinさんの人生初の挑戦、ミュージシャンとしての勝ち抜きトーナメント戦の決勝でした。
Jin佐伯仁志となって
もうすぐで丸三年。
昨日の優勝まで、そばで見ていて色々思うところがあったので記しておこうと思う。
わたし視点の話。
石の上にも三年
新しい職場には三年は勤めよ
なんて言われるように、
三年という数字は何かの一区切りとなることが多い。
前職を辞め、名前と仕事を変えて動き始めた当初は、
前の名前、前の活動から離れることを意識して
時に、半ば足掻いているようにも見えた。
心理カウンセラーという前職で影響を与えた人の多さから、
どうしたって、以前の活動を求める周りの期待も大きかった。
シンガーソングライターでありミュージシャン。
新しい方向を向いて進み始めた自分への覚悟で、
ミュージシャンとしての活動だけをすること。
それは、求められていた手を振り払ってでも前職を辞めたということで巻き込んだ人たちへの、礼儀のようなものもあったのではないかと思う。
活動の軸足を「ミュージシャン」に置こうと、もがいている三年だったと思う。
心理カウンセラーとしての仕事の依頼は、
どんなに条件が良くても断った。
ミュージシャンとして仕事を依頼してくれるのは友人たちのみ。
ミュージシャンとして歌いたくて、
自らライブハウスに申し込み、
20代30代の若者に混じって対バンライブに出演をした。
かつて何百、何千人の前に立ち、
武道館の単独公演までした男が、
ミュージシャンとしては誰にも知られていないという前提で
京都の路上に立って歌ったりもした。
冷や汗をかきながら。
そんなミュージシャンJin佐伯仁志としての三年の集大成が、
今回の『ヒキガタリコロシアム』というイベントであったようにわたしは思っている。
年齢も性別も活動年数も関係なく、
「弾き語り」という音楽スタイルで活動しているミュージシャンたちで
一位を競うイベント。
10年以上ミュージシャンとして活動している人たちもたくさんいる中で、
昨日Jinさんは優勝を勝ち取った。
昨日、
やっと、
Jinさんは軸足を「ミュージシャン」に置くことを許可されたように、わたしは感じた。
許可された。
誰に。
自分自身に、だと思う。
「ミュージシャン」に軸足を置くことを一番許可していなかったのは自分自身だったのではないかと、ヒキガタリコロシアムに応募した頃からぼんやりと思っていた。
出場していいのかという気持ち。
予選で勝ち抜いた後の、
なんとも言えない気持ち悪さの吐露や、
バツの悪そうな顔。
決勝を辞退しようかとかいう心の動き。
Jinさんがかつて口に出すのも怖かった夢。
「私は素晴らしいミュージシャンです」
以前に聞いたエピソードを、
昨日の決勝戦を現地に観にきてくれていた友人のさとゆみさんがコラムに書いてくれた。
(明日12月19日の朝7時には消える記事なのでご注意を)
三年をかけて、
Jinさんはミュージシャンに軸足を置いた。
そこに足を置きたくて
置きたくても、
この三年ずっと置けていなかったのだと思う。
昨日の優勝で、
やっと、置けた。
そんなふうに感じた。
心理カウンセラーと、ミュージシャン。
これで、ようやく、
自由自在に、
両方に足が置けるのだと思う。
バランスを移動させながら。
過去に縋るという行為と、
過去を大切にするという行為は違う。
過去を、大切な自分の一部として抱えて、
堂々と今の自分を生きていく。
過去の遺産と揶揄する人もいるだろうけれど、
それは遺産ではなく財産なのだとわたしは思う。
奇しくも三年前の昨日がちょうど、
Jinさんが心理カウンセラー時代に最後まで続けていた活動の、京都での最終回だったらしい。
これはわたしの視点。
Jinさんが違うと思う部分もあると思うので、そんなつもりで読んでおいてください。
読んでくれてありがとう。
星野えみでした。