道に出て
 
数歩歩くと
 
 
涙がこみ上げてきた
 
 
 
止まって
 
泣いて
 
息を整えて
 
泣き止んで
 
数歩歩く
 
 
 
繰り返した
 
 
 
 
 
いつまで経っても辿り着かない
 
 
セミナールームまでがめちゃくちゃ遠く感じた
 
 
 
まりあからFBメッセンジャーが届いた
『来るときおにぎりか納豆巻き買ってきてーな』
 
 
 
今の自分の状態が牛歩戦術みたいでちょっと笑えて
『今  牛歩で向かってる』
って送った
 
 
まりあの気遣いが嬉しかった
 
 
 
でも
進めない
 
 
なんとか
すぐ近くのコンビニに入った
納豆巻きはなかった
 
おにぎりは何がいいか分からなくて
 
 
また涙が溢れた
 
 
 
おにぎりの棚を見つめながら泣く怪しい人
 
 
 
コンビニを出て
 
コンビニ横の壁にもたれかかったら
 
 
 
もう動けなくなった
 
 
 
 
 
やっぱり無理
もう動けない
もう進めない
 
 
 
『来れなくてもいいし、来れない理由が分からなくてもいいし』と
まりあとメッセンジャーでやりとりをしてると
 
 
行きたい
行きたい
行きたい
 
が出てくる反面
 
怖い
怖い
怖い
 
が出てきて
 
子どもみたいにしゃくりあげて泣いていた
 
 
 
 
 
もう
マスターコース自体をやめたい
とも考えた
 
 
 
まりあから
『いまどこ?』とメッセージがきて
答えるのをしばらく躊躇した
 
 
 
助けを求めてもいいんだろうか?
 
 
私はまりあのことがすごく好き。
だからこそ、
まりあに甘えることや迷惑をかけることにものすごく抵抗がある
 
 
それに、まりあは28人全員のアシスタントで、
私にだけに手をかけてもらうことが申し訳なく思う
 
 
 
それでも
もう自分一人じゃ動ける気がしない
 
 
 
迎えにきてほしい
助けてほしい
 
 
助けて
助けて
助けて
 
 
 
心の中が、
助けてでいっぱいになって、
 
 
私のその時の精一杯で
自分のいる場所を伝えたら
 
 
 
しばらくして
まりあが来てくれた
 
 
 
まりあにハグされながら泣いた
 
ぎゅうっとされながら泣いた
 
子どもみたいにわぁわぁ泣いた
 
 
 
 
泣きながら話を聞いてもらって
うんうんと頷いてもらって
 
分かってもらえた嬉しさや
抱きしめられる嬉しさ
守られる嬉しさに
 
やっと身体も心も緩んだ
 
 
 
 
まりあが「そんな所を出してくれて嬉しいわー」と言ってくれた
 
女王の教室では出せなかった
 
いや、女王の教室があっての、まりあがアシスタントでいてのマスターコースだから、
 
やっと私の弱さを出せたのかもしれない
 
 
 
 
 
人の輪の中に入ると
自分でも気づかないうちに
空気を和ませと人を楽しませようとがんばりすぎてしまうこと
人の話に共感したり優しい顔をしたりいい人になろうとがんばりすぎてしまうこと
だけど全てが嫌なわけではもちろんなくて、だけど自分の限度が分からなくて疲れること
 
そんなことを話した気がする
 
 
 
 
まりあと一緒にセミナールームに向かった
 
 
「今日は1日笑わず、不機嫌を周りに撒き散らす、うざーい、めんどくさーい人でいろ」と言われた
 
「そんなの怖くてできない」と言うと
 
「命令やからな」と言われた。
 
 
 
笑わない
笑わない
 
と唱えながら
セミナールームに入ると
 
ぐりちゃんが抱きしめてくれた
 
 
「よく来たねー」って
 
 
 
ソッコーで笑顔になってしまった(笑)
 
 
 
 
ワーク中
できるだけ
『笑わない、不機嫌』を心がけた
 
 
苦しかったけど
 
同じグループになってくれた3人の誰も嫌な顔をしなかった
 
 
 
気がついたら
 
私は人の顔色や反応を気にすることなくそこにいられた
 
 
そんな私も受け入れられていた
 
 
 
 
私が
 
 
自分を許していくだけなんだ
 
 
 
 
 
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