※7の付く日にこの小説を掲載しています。
私は商店に並んである洋菓子や電気製品等のパッケージに、間違いだらけの日本語が表記されているのを見た事があったが、今度は別の議論に進展しそうで少し心配になってきた。
前編
三・烏龍茶(その3)
それより、早く烏龍茶を買ってゆっくりバスの中で話したほうが良いのではと、思っていた。
そんな私の気持ちを察してか、李華連は、
「歩きながら話しましょ。」と、私の手を引くようにして歩き出した。
「それに、外国のブランドのデザインを真似して本物らしく見せたり、ブランドをそのままコピーしたり、もう何でも揃っているのよ。通訳をしていると時々、外国の人から『中国は偽物が多いね。』と、言われたりするのよ。本当に恥かしくなるくらい。」
「ふーん。でも、より本物に近づけるため本物を一所懸命に真似していると、そのうち加工技術とか製造技術とかが向上して、本物に負けないくらいの製品が出来たりするものなんだけどね。」
李華連は、私から偽物の事を言われるのを嫌って、先に自分から話し出したのだろうかと思い、私は慰めのような気持ちで応えた。
しかし、李華連は半分は肯定するが半分は否定するかのように、
「そうかも知れないけど。あのね、企業も商売人も、とにかくその時売れればいいのよ。色々な手を使って売ってしまえば後はもう知らん顔。ダメだったらまた別の物を作って、また知らん顔よ。」
おそらく、李華連は何か嫌な目に遭ったのだろう。
「だって日本人は正直でしょ、言われたとおりにお金を払うから、よく店で騙される事が多いのよ。それに日本人はお金持ちだと思うから、十元の物を二十元と言ってみたり、そうね、例えば一斤いくらじゃなくて十元何斤で売ろうとするのよ。」
「それはどういう意味なのかな。」
「一斤は五百グラムでしょ。」
「ああ、それは知ってるけど。」
「一斤二元とすると、十元は五斤でしょ。二・五キロ分よ。ひとつの物を二・五キロも要らないでしょ。その時にたくさん売りたいから、十元何斤と言って売りたがるのよね。」
『正直な日本人』は、きっと李華連だったに違いないと私は思った。
◆春といえば 新年度と行楽シーズン
レンジでもチンとできるお弁当箱はいかでしょう。
日本の季節を感じる花模様のお弁当箱。電子レンジ使用可能なため、行楽時だけでなく、普段から... |