※7の付く日にこの小説を掲載しています。
前編
二・ニックネーム(その3)
それを見ながら私の好意はますます膨らむ一方だった。
「うーん、解りました。あなたには降参したばかりだから、聞きましょう。」
私が言うと、李華連は子供のように嬉しそうな顔をしながら、
「私達、もっと気軽に呼び合えるようにしましょうよ。私は名良さんのことをお名前で呼んでいるでしょう。
それよりもう少し親しみのある呼び方がいいと思うの。」
「ニックネームのことですね。」
「中国はみんな名前をそのまま呼ぶんですよ。私は華連とか李華連とか呼ばれるわ。でも日本は違うでしょう。」
「日本は皆、『さん』とか『ちゃん』とか付けて、呼び捨てにしないんですよ。余程親しい間柄じゃないとね。
子供は殆ど『ちゃん』を付けて呼ぶかなあ。でも中国で普通だったらあなたを華連とそのまま呼んでも良いわけですね。親しみを込めて。」
「ええ、勿論。私はそうして欲しかったから。」
李華連はそう言いながら、私をじっと見つめていた。
その瞳の奥に隠された艶やかな女性の魅力が、私の目を釘付けにして暫くの間時間が止まっていたような気がしたが、それはほんの一瞬の事だったかも知れなかった。
李華連はそんな私の心を見抜いたように視線を遮りながら、
「名良さんは、日本でいつも何と呼ばれているんですか。」
瞳の奥の艶が遠のき、子供っぽい笑みが戻ってきていた。
「ちょっと照れくさいけど、友達は皆『京ちゃん』と呼ぶ事が多いですね。」と、私も子供っぽく笑った。
「『京ちゃん』ですね。でもその歳でですか。」
李華連はわざと驚いた顔で答えた。
「歳は気にしないと言ったじゃないですか。」
「ごめんなさい。でも少し可愛過ぎますよ。」
「いつも呼ばれているから、少しもそんなふうに考えたことなかったなあ。」
李華連はクスッと笑いながら、
「いやだ、別にそんなに悩まないで。京ちゃんは歳のわりに純粋なのね。」と、私をからかってみせた。
「いやー、参った、参った。あなたは、じゃなくて華連は、ほんとは意地悪じゃないのかなあ。」
「そうかも知れませんよ。京ちゃん気を付けてね。」
「解りました。そうします。」
私達は顔を見合わせ、お互いの好意を確認しながら、それが本物である事を確かめるように言葉を続けた。
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