2023年度・共通テストが終わった。

全体を見まわしてみると、どの教科も理解の質が試されている、と感じた。

身に付けた基本的な知識や解法、公式の使い方などを十分に理解したうえで

限られた時間の中で、文章や図表、資料などの複数テクストの内容を正しく把握し、

問われている設問の意図がどこに関係するのか情報を整理し、

解を導く力やさまざまな場面で実践的に活用できる力を問う出題だ。

扱われた資料や図表の増減は教科によって差はあるものの、出題傾向としては大きな変化はなかった。

資料等を含む問題分量は昨年同様に多く問題の構成が複雑で、

限られた時間の中ですべて解答するのは厳しかった教科が多かったと思われる。

共通テストで多く問われるようになった、資料や図表、グラフなどを読み解いて考える力を問う問題、複数の文章や資料を題材として深く考察する力が求められる問題についても、多くの科目で引き続き出題されている。

これらは読み取りと正解を導く過程や判断に時間が必要となり、限られた時間内に多くの情報を処理する能力が求められている。

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特に変わった題材は、というと・・・あるんですねぇ。

英語リーディング・・・プレゼンテーションで「クマムシ」の説明をする

第六問Bを見ると

extraordinary creatures(特別な生物)として。

ん？

クマムシ？

クマムシって言ったら、

全長0.1ｍｍから1.5ｍｍ

短いキュウリみたいな外観

こんなもの飼えないので、ガチャで出たものでガマンする。

その生態系が恐ろしい。

海抜6.000ｍで生活でき

水面下4.600ｍでも生きながらえ

マイナス272度から151度まで生息でき

真空の宇宙空間でも（多分）死なないんじゃないか・・・という強烈なパワフル生物。

なんといってもこのお題が

Earth's Ultimate Survivors

(地球の最強の生存者)

ということだ。

この作問委員、マジメに作問し、

それを作問審議会の大マジメな校長やベテラン教員がじっくり精査し、

これを世に送り出したことを考えると、大いに笑える。

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国語・・・正岡子規とル・コルビュジエの「窓についての考察」

第一問からやらかしおった！

正岡子規と言ったら、明治初期の詩人だ。

身体を病み、俳句を書くことで人生と格闘した人だ。

ル・コルビュジエとは、戦後のフランスで活躍したモダニズム建築の巨匠だ。

フランク・ロイド・ライト（アメリカ人建築家・旧帝国ホテル設計）

三―ス・ファン・デル・ローエ（ドイツ人建築家。『神は細部に宿る』が有名）

と共に「３大巨匠」とも呼ばれる大建築家だ。

その2人にとっての「窓」を考察しようという難題だ。

おそらく、コルビュジエの名前は、受験生の頭からほとんど忘れられていた存在だろう。

それを題材として取り上げるとは！！

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数学Ⅰ・A・・・バスケットボールのプロ選手と花子さんのシュート対決問題

数学Ⅰ・Aは、昨年度の「短距離走のゴール位置」という極め付けの悪問が出た。

その平均点たるや38点！

今回はどうか。

アレ以上の難問が出たら、

もうそれは共通テストとは言えないんじゃないか、と思ってた。

まあ、予想通りというか、見事に「易化」した。

それでもこの問題、スカッと「関数問題」と閃いて解いたのならいいが、

プロ選手のスロー位置が３ｍ

花子さんのスロー位置が２ｍ

という、関数の平行移動になっているとは！

オマケにバスケットの位置が、

「AとBの中間前後じゃないと、バスケットボールは入らないよ」という鬼畜っぷり！

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さあて、

ここからは、その他の教科にも行きましょうか。

生物基礎

・・・「胆汁には脂肪の吸収を助ける作用があると学んだマオさんとナツさんの調査」

第二問Aで出ました。

実は、私の実父は胆汁が出る「胆嚢（たんのう）」を除去しており、そのせいで

「天ぷらなどの油っ濃い食事をすると、たちまちお腹を壊す」

という事になってしまった。

そのことを思い出しながら、感慨深く読んだ。（またいずれ書きます。みんなに話してて良かった！）

　・・・「ウイルスと免疫と予防接種」

タイムリーな話題ですね。第二問Bで出題されました。

まあ、21世紀になってもワクチンの接種を断固拒否する、「牛痘を打つと牛になる」などというジェンナーの種痘を信じないレベルの情弱たちがわんさかいる現代。

「そういう話題も入れとかないと。」と作問委員の人たちも考えたのでしょう。

化学基礎・・・「血圧が高めの人は塩分の採り過ぎに注意しろ」ときいて、『醤油に含まれる塩化ナトリウムNaClの量』を分析する。

見てみると

塩化物イオン（Cl⁻）の濃度を求めるため

硝酸銀AgNO3水溶液を入れていく。

水溶液中のCl⁻は、銀イオンAg＋と反応して塩化銀AgClの白色沈殿を生じる。

・・・という手法で、鮮やかに測定する、というわけだ。

まだまだ続きますので。

2023年度・共通テスト総評 ～「情報」を意識した

2023年度・共通テスト総評　～「情報」を意識した