2024年3月、私は高校を卒業して下宿先の石川県とも別れを告げる事となり、1つの歴史に幕が下りました。去能登半島地震で被災した校舎を見て、母校との別れがこういう形で告げるとなると、何とも言葉に言い尽くせなかったですね...

 

 そんな今年春ですが、私がお世話になった鉄道車両でも、引退や転属、廃止などで沢山の動きがみられました。私目線では3つあるのですが、他の関西の鉄道ファンにも同じく思い出が沢山あると思いますので3回に分けて見ていきましょう。今回は北陸本線の廃止です。

 

 

 短くなった北陸本線    

 

 

 北陸本線は、かつて滋賀県米原駅から新潟県直江津駅までを結ぶ353.9キロメートルを結んでいたJR西日本所有の長距離路線で、特急街道とも呼ばれており、雷鳥を始め、トワイライトエクスプレス北陸はくたかしらさぎサンダーバード等の寝台列車や特急列車が行きかって、関西と北陸の輸送に大きく貢献していました。

 

 しかし、2015年に北陸新幹線が金沢まで開業すると直江津~金沢間が廃止され、北陸本線は金沢~米原間に短縮さてしまいました。更に2024年に北陸新幹線が敦賀まで開業、更に北陸本線は金沢~敦賀間が廃止され、現在は米原~敦賀間だけの短い路線となってしまいました。

 

 廃止された敦賀~直江津間は県が出資する第三セクターに経営移管され、

  • 福井県 敦賀~大聖寺 ハピラインふくい
  • 石川県 大聖寺~俱利伽羅 IRいしかわ鉄道
  • 富山県 俱利伽羅~市振 あいの風とやま鉄道
  • 新潟県 市振~直江津 えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン

 にそれぞれ経営が移管され、地域密着型の輸送に変わってしまいました。

 

 

  北陸本線を駆け抜けた車両たち

 

 そんな北陸本線ですが、もちろん駆け抜けた形式車両も沢山あります。ここからは私の持ってる写真の分を紹介します。

 

 1. 521系

 

 北陸本線といえばこれですね。現在の第三セクター移管後も主力の第一線で活躍している521系。それまで普通電車で走っていた413系や455系、419系などの旧型車両を置き換える為、2006年に運行を開始しました。

 

 登場時は223系と同じ顔の車両でしたが、2013年に登場した3次車からは227系顔とも呼ばれる新しい顔に変わり、後に登場する521系や225系は全てこの顔となりました。

 

 2.681系 サンダーバード/しらさぎ

 

 続いては特急列車です。681系はJR西日本が最初に生み出した特急型車両で、試作車が1992年に登場しました。それまでは国鉄型ばかりだった北陸地区に初めてのJR車両で、北陸に新しい時代を作り上げた名車両です。臨時特急雷鳥で運行されていた後、1995年より量産車がデビューすると681系による特急『サンダーバード』が誕生しました。1997年に北越急行が開業と共に復活した特急はくたかに681系を充当、北越急行が所有するスノーラビット編成が誕生し、ほくほく線では最速160キロで駆け抜けました。

 しらさぎへは新製投入はありませんでしたが、2015年に先述の新幹線が開業すると特急はくたかの運行は新幹線に任せ、はくたか用の681系はしらさぎへと移りました。その際は塗装も青とオレンジ色のラインの入った色に変わり、スノーラビット色は消滅しましたが、同時にサンダーバードの車両がリニューアルされると、同列車充当の681系に新塗装↓が誕生しました。

 

 

 3.683系

 681系の後継が683系です。2001年より運行を開始した車両で、サンダーバード、しらさぎ、はくたかの3都市圏から北陸へ向かう全ての特急列車へ導入されました。681系は特急列車の新設に合わせて導入されていて、旧型の485系の置き換えは95年のサンダーバードでスーパー雷鳥を削った事、はくたかの新設で485系特急かがやきから役目を受け継いだくらいで、しらさぎや雷鳥等で数多く残っていた旧型車両の多くは、この683系をより多く製造し、2011年までに全て置き換えました。

 もちろん683系は北越急行も所有しており、160キロ運転可能な683系はこの8000番台だけでした。2015年に北陸新幹線が延伸すると、この車両は特急しらさぎへ転属しました。それによって玉突きでしらさぎ用の2000番台は交流機器を外して289系へと変更し、北陸からは姿を消しました。

 289系は福知山区の特急こうのとり、和歌山への特急くろしおへ転属し、283系や287系と共に元気に走っています。

 

 ここからは国鉄時代の車両で、現在は現存しません

 

 4. 413系

 521系の先代に当たる車両で、昔の北陸本線の普通電車です。さっきも言った通り、413系以外にも455系や419系など同じ顔や塗装でありながら複数形式が存在しましたが、画像はこれしかなく、そこまで細かい形式を紹介してるとキリがないので413系を主役とします。一番特徴的なのは白い車体に青色のラインが入ったこの塗装は、まさしく北陸本線を象徴する色でしょう。この青と白のカラーは521系に受け継がれています。

 

 5.485系

  国鉄特急といえばこの車両ですね。681/683系の先代の国鉄型特急車両の485系です。雷鳥やしらさぎの他に、金沢~長岡で上越新幹線と接続する特急かがやき、そして上野発着時代と北越急行時代のはくたかでも使われていました。国鉄時代はボンネット型と電気釜の肌色と赤の塗装でしたが、JR化後はパノラマ仕様や最新車両に近寄った3000番台化へ改造がされたり、スーパー雷鳥やはくたか等各特急列車にはイメージアップの為独自の新塗装が大量に誕生しました。しかし、2000年以降に683系が登場すると一気に活躍の場を狭め、2015年の特急北越の廃止をもって引退しました。

 

 いかがでしょうか。私は小学校低学年の時にサンダーバードに初めて乗ってから、北陸本線が好きになり、特急はくたかに乗って新幹線開業前の富山へ行ったり、高校が石川県の高校で帰省の際はこの北陸本線にもお世話になり、12年は北陸本線の事を追いかけて来ました。トワイライトエクスプレスや485系北陸、681/683系のサンダーバード/しらさぎ/はくたか、そして青いラインをまとった413系や521系を沢山見てきました。そして、大阪駅から出発するサンダーバードの富山.金沢.和倉温泉など多くの北陸への行き先が今でも忘れられません

 

  北陸新幹線が敦賀まで延伸された今、関西から福井.金沢そして富山や新潟、能登半島へは乗り換えが必要になりました。東京からは北陸が繋がって良くなったでしょうけど、これまで繋がりの深かった関西/中京と北陸は分担されました。北陸本線を駆け抜ける特急が見れなくなったのもそうですが、何より利便性が損なわれたことが残念です。

 

 新幹線が通らず特急が失われた富山や新潟の魚津や直江津、加賀温泉、そして武生や鯖江地区。これから北陸の過疎化が進む一方なのでしょう。