五十肩の原因と治療法
・ある日いきなり肩が上がらなくなった
・肩を動かすと激痛が走り、夜も痛くて眠れない
・肩から腕にズキズキした痛みがあり、腕が上がらない
このような症状でお悩みのあなた。その痛みはもしかすると五十肩かもしれません。
五十肩というとあなたはどんなものを想像しますか?
「腕が上がらない」「50歳くらいでなる」「肩が痛い」
こんな感じですかね?
うーん。この答えは正解でもあるし、間違いでもあります。
「五十肩」というとそこそこ有名ですが、かなり誤解している方も多いのが実情です。
ではそもそも五十肩というのはどのようなものなのでしょうか?
五十肩とは、肩から腕にかけて強い痛みがあり、肩の動きが著しく制限されているもの
といえます。
そして、何らかの原因で肩関節の内部に炎症が起こっているもの
ともいえます。
五十肩は別名「肩関節周囲炎」と呼ばれます。
肩の周りに炎症が起こっているのです。
よく肩こりや首の痛みと間違える場合があります。
五十肩の一番の特徴は「肩の動きが制限されていること」です。
肩こりには張りや重さはありますが、動きの制限はありません。
肩こりか五十肩かよくわからないという方は、この動きの制限で比較してみてください。
五十肩の原因
五十肩の原因は・・・・ありません。
「えっ!?」と驚くのも無理はありませんよね。
ただ、本当に原因はないんです。
「ない」というより「わからない」といったほうが適切かもしれません。
つまり・・・五十肩は原因不明なのです。
ただし、まったくないのかと言われれば私はそうは思いません。
やはりなりやすい方はいますし、なりにくい方もいます。
五十肩になりやすい人
1 普段肩をあまり動かさない人
2 肩を上げた状態で長時間作業する人
五十肩になりにくい人
1 普段適度に運動していて肩を使っている人
2 肩関節の柔軟性が高い人
では肩関節の構造について説明していきます。


このように肩関節というのは上腕骨と肩甲骨を繋いでいる関節です。
正式に言うと「肩甲上腕関節」といいます。
この肩関節の安定性や動きのスムーズさを助ける非常に大切な働きをするものがあります。
それをローテーターカフ(腱板)といいます。

腱板というのは、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋で構成されます。
上腕骨を肩甲骨に引き寄せる働きをしているので、この腱板がないと肩は簡単に脱臼してしまいます。
そして、この腱板で五十肩と非常に関係の深い筋肉があります。
棘上筋です。

棘上筋は肩を上げる時に働く筋肉です。
特に肩を上げ始めるところで使われます。
そのため、棘上筋に炎症が起こると肩を上げようとしたときに激痛が走るのです。
五十肩の3つの病期
五十肩には3つの病期があります。
人にによって治るまでの期間は異なりますが、五十肩はほぼ必ず一定の経過をたどって進みます。
炎症が起こったばかりで激しく痛み、運動制限がある時期を「急性期」
やがて炎症は勢いがおさまって、無理に動かすと痛みがある時期を「慢性期」
腕を動かしても痛みはないけれど十分に動かせない時期を「回復期」と呼び、それぞれ治療法が異なります。
急性期
急性期は安静が第一
急性期(別名は炎症期)とは、関節に起きている炎症が強くて、非常に痛みが強い時期をいいます。
だいたい痛み始めてから、短い人で約1ヶ月、長い人で約2ヶ月ぐらいです。
この時期はまず安静にしましょう。
無理に肩や手を動かさないようにして、重いものを持つと痛みが悪化してしまう恐れがあります。
できれば、日中は三角巾で腕を吊って固定させます。
薬物療法
痛み止めや湿布で痛みを和らげます。
痛みがひどくて眠れない場合は坐薬が有効です。
体操療法
安静が必要な急性期でも固定したままだと癒着が起こるので、無理のない範囲で動かしましょう。
コッドマン体操

おもりを持って、前後と左右に振り子のように動かす体操です。
どうということはないように見えるかもしれませんが、非常に優れているのは前かがみになると腕の重みで自然に
腕が引き下げられ、さらにおもりで引っ張る力を高めたため、動かすときの痛みが和らげられる点です。
急性期でも1日少しはこのコッドマン体操で肩関節の癒着を防ぎましょう。
鍼灸治療

痛みが強い急性期は鍼が効果的です。
鍼には消炎作用や鎮痛作用があり、痛みの抑制や炎症の軽減に効果があります。
鍼と言っても髪の毛程の太さなので痛みはほとんどありません。
慢性期
急性期から1~2ヶ月ほどすると、慢性期に移行します。
肩の痛みも一段落し、急性期の「刺すような痛み」は鈍い痛みに変わり、夜も眠れるようになるでしょう。
しかし、まだ腕を動かすと痛いし、運動制限もあるという状態です。
体操療法
痛みの強い時期が過ぎたので、少し積極的に行いましょう。
これを行うことでさらに肩の動きが改善されるはずです。
温熱療法
この時期には、肩を温めることが大事です。
毎日、入浴したり、ホットパックやカイロなどで肩を積極的に温めます。
筋膜療法
慢性期に入ったら、肩の周りや腕の筋肉や癒着している筋膜を緩めていきます。
肩が痛いからと言って肩ばかりやるのではなく、肩と繋がっている部分を全体的にやっていきます。
回復期
痛みや不快感がだんだんと少なくなり、手が動かしやすくなります。
おおよその目安として3~6ヶ月ぐらいです。
体操療法
痛みが消えて一番油断しがちですが、この時期に肩を動かさないと癒着したための運動制限がいつまでも残ります。
そのほか、ラジオ体操を行ったり、以前にスポーツをやっていた人は再開するなど、自分で積極的に努力することが大切です。
まとめ
五十肩は放っておいても痛みは治りますが、運動制限が残る場合が多いです。
何も治療をしなかった場合、長いと2~3年痛みが続くこともあります。
早期治療が一番です。