松尾寺の本堂の右に階段があってそこを上ると正面に観音堂があった。周防33観音の3番目にあたる観音堂である。ちなみに4番目が帯石観音で周防大島にはこの2か所しかない。この観音堂の中には平安後期に作られた木造の二天王立像である持国天と増長天が収められている。この観音堂の中も奥様のご厚意で見せていただくことができた。中には出産後にお乳の出がよくなるようにと願いを込めた沢山のおっぱいのお供えがつけられていた。お堂の奥に二体の木造の天王立像を見ることもできた。観音堂を出て左側には稲荷台明神、その奥に春日大明神、さらに一番奥にも神社が建てられていて神仏が一緒に祀られている興味ある配置になっていた。外には池もあり、立派なお地蔵様が建っていて、池のほとりにはヒマラヤユキノシタが花を咲かせていた。また通路には奥様が植えられたシャガが可愛い花を咲かせていた。
般若姫伝説については怪灯が飛んできたといわれている倒れてしまった松の根元部分だけを見ることができただけであったが、周防大島町内の般若姫伝説に係る場所はこれですべて見ることができたことになった。
山の中ではあるが大変にすがすがしい気持ちになれる名刹であると感動し、親切な奥様にお礼を言って松尾寺を後にした。