夕暮れ時に千葉県成田市役所周辺の上空を灰色の鳥の大群が飛び交う。ムクドリだ。市民や近くの京成成田駅の利用者らは長年、鳴き声やフンに悩まされてきた。市は追い払うため、鳥が嫌う音を出すスピーカーを導入するなどしたが根本的な解決には至っていない。

・8月上旬の午後6時頃ムクドリの大群が市役所東側の上空を旋回し始めた。キュキュキュキュ!甲高い鳴き声が鳴り響く。ムクドリはその後、国道の歩道に沿ったケヤキやサクラの並木に集まってきた。歩道を歩いていた成田市の女性会社員は、異様な光景ですよね。臭いしフンが上から落ちて来るのも怖いと語る。頭を手で覆い小走りで通り過ぎる人もいた。鳴き声は深夜まで街中に響いていた。市は2010年からムクドリの大群を観測し始めた。夏場をピークに飛来し市役所周辺の街路樹にねぐらを作る。昨年には初めて数十羽が越冬しているのを確認した。

・市も手をこまねいているわけではない。市内の造園業者などに委託し枝を 剪定せんてい 。20年度からは鳥が嫌う音を発するBBスイーパーと呼ばれる音響スピーカーを導入した。職員が週2-3回街路樹で鳴らしている。ただ市民からは毎年、鳴き声がうるさいフンが臭いといった苦情が相次いでいる。市の担当者は追い払っても戻ってくる。その繰り返し。最適な方法は見つかっていないと頭を抱える。

・我孫子市鳥の博物館学芸員の小田谷おだや嘉弥よしや さんはムクドリが市街地に集団でねぐらを作る理由について一般的には鷹などの外敵から身を守るための行動と説明する。仮に追い払うことができてもムクドリは別の場所にねぐらを作るだけだといい自治体同士が連携し広域的な対策を講じる必要があるのではと話している。

 

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ムクドリ大群に「うるさい」「フンが臭い」の苦情…嫌がる音響スピーカー導入も不発 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)