立川の富士見町団地の一室をレコード喫茶室風に改造してレコードを聴く贅沢。朝起きて珈琲をいれて今日の天気と季節を確認してレコードを探す。今朝はこの一枚♪

寺山修司さんに見出されていなかったらレコードさえ残っていなかったかもしれない。デビュー盤である本作は寺山修司さんが書き下ろした詩(A面-2.5./B面-1.4.5.6)を中心にした実験的な構成になっている。よほどのモノ好きかアングラ好き、あるいは寺山ファンでなければ興味を示さぬデビュー盤だ。巷で流行っていた歌謡曲でもなくフォークソングでもない孤高のシンガー淺川マキさんはシャンソンやブルースを歌う。寺山さんが主宰したアングラ劇団「状況劇場」にピッタリの内容になっている。

わたしがこのアルバムを買ったのは大学進学のために上京してからだった。親からの仕送りだけでは食べていけずバイトをしながら貯めた給料で買った。今も存在する新宿の中古レコード専門店ディスクユニオンに毎月通った。何でも聞いてやろう精神でジャンルを問わず本勢いで買いまくっていた。40年ぶりにレコードに針を落とした。余計な演奏がなく浅川マキ本人の歌を主役に楽器たちが寄り添っている。今流行りの音楽とは対極にある。雨が降りしきる日、薄暗い部屋の中で珈琲を飲みながら聴く。

 

LP盤データ
MAKI / 淺川マキの世界
定価=1800

SideA
(1)夜が明けたら (2)ふしあわせという名の猫がいる (3)淋しさは名前がない (4)ちぃちゃな時から (5)前科者のクリスマス (6)赤い橋
SideB
(1)かもめ (2)時には母のない子のように-黒人霊歌 (3)雪が降る (4)愛さないの愛せないの (5)十三日の金曜日のブルース(6)山河ありき

 

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