■ひとつの実例としてTSMC工場を誘致した熊本県菊陽町の不動産バブルについて

 

東京ドーム四個分の広さは数年前まで農地でした。熊本県が農地転用に着手した事でTSMC工場を誘致できた。そして半導体工場建設バブルとなり周辺不動産価格の上昇率が日本一となる。ここまでは報道で知っていると思います。

 

ただ菊陽町周辺にはSONYセミコンダクター工場が昔から稼働しており、別の場所には三菱電機や本田技研のバイク工場などが数多くある工業団地地区なのです。何故かTSMC工場だけが特別な色眼鏡で格付けされている。これはバブル相場と言わざるを得ません。その全ての原因は政府による1兆円規模の補助金の支出です。

 

TSMC工場の敷地面積は立川富士見町団地の総面積に相当します。もし富士見町団地の一角に半導体工場を誘致すれば大変な事になります。立川駅の北側は立飛グループによる再開発により都心と比べても見劣りしないクールな街に変身しました。もし南側に半導体工場が出来れば団地そのものが半導体工場で働く従業員の社員寮となるでしょう。つまり需要と供給の構造は大きな力により作られるのです。

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■熊本TSMC工場への交通インフラの乏しさ

農地転用が決まり地主たちは大喜びだ。しかし大迷惑しているのが一般の町民です。交通渋滞、ランチ価格の値上がり、駅周辺のアパート賃料の高騰など困った問題の方が多いのです。確かにTSMC工場のおかげで給料や時給が東京よりも上がり喜んでいます。熊本県の時給水準は数年前まで780円前後で宮崎、鹿児島と同率で46都道府県中最低でした。

 

また地方は持ち家比率が高くて賃貸に住む人は数%と低く車社会が形成されています。TSMC工場への通勤手段はマイカーで行くか、電車とバスを乗り継ぎ通勤するしかありません。そこが東京と大きく違うところです。そこで熊本県は交通渋滞の打開策として交通インフラの整備を進めていますが、農地買収や交通ルート選定など問題は山積しているのが現状です。つまりTSMC工場誘致ありきで事が進んだ結果です。

 

■TSMC工場建設中の熊本で住まい争奪戦が起きている

知人の情報です。その人の知り合いの子供が最近熊本市内へ引越したそうです。原因はTSMC工場へ通勤するJR豊肥線最寄り駅周辺の家賃値上げでした。今まで駅近くのアパートを借り会社へ通勤していたが契約更新で大家さんが家賃を値上げすると言われた。給料が上がらないため仕方なく熊本市内へ逃げ出したというのだ。TSMC工場とは全く関係ない一般人が大迷惑する珍事となっている。熊本市内よりも家賃が高いって信じられません。

 

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