水面下で
いつの間にか話が進んでいて
私が知らないまま、《白紙に戻した》
そんな話を
母から聞いた
\断ってくれてありがとう/
と
今更ながら思う
私には親戚のお兄ちゃんがいた
母方の親戚だ
かなり年上で
頭が良くて優しくて好きだった
お兄ちゃんの家に遊びに行くとたくさん遊んでくれた
(親戚のお兄ちゃん、だから、恋愛感情はゼロだ。)
私が中学生だったある日
お兄ちゃんが我が家に突然遊びに来た
我が家で歓待し
お兄ちゃんは1泊して帰っていった。
私が大学生だったある日
おばちゃん(お兄ちゃんの母親)に呼ばれ
母と共に手土産を持って遊びに行った
母とおばちゃんは何時間も話をしていた
私は数時間後に控えていたデートのことで頭がいっぱいで上の空だった
そして
数十年経った
私は
恋愛結婚し
子を産んだ
誠に平凡な生活ではあるが。
そんなある日
母から
びっくり仰天な話を聞かされた
「実はね」
「あの時、あんたは、あのお兄ちゃんとの結婚話が持ち上がっていてね」
「私は慌てて断ったのよ」
そういえば
あの時以来
あの親戚とは
疎遠だった
泊まりに来ていたお兄ちゃんとも
遊びに行った親戚のおばちゃんとも
あれ以来会っていない
母が
水面下で
色々調整していたのだ
今更ながら
ありがとう、と思う
本人の意思を聞かずに
進められる結婚話ほど
不愉快なものはない
(念のため言うが、お兄ちゃんは頭が良くて好い人だった。が、従兄弟と結婚するというのはちょっと、と思う。)
ちなみにお兄ちゃんはまだ独身だという…