利用したタクシー内で起きた怖い話。(実話です)


ある日の私(まだ20代だったころ)


とても急いでいて


電車に乗る時間もなく


表参道からタクシーに乗った。


私「渋谷の○○の前までお願いします」


ドライバーさん「わかりました~」


表参道から渋谷まで

真っ直ぐ行ける道があるので

タクシーなら10分もあればすぐに着く距離だ




ドライバーさんは


とてもおしゃべり好きな方だったようで


なぜか外国人パブでモテモテだった、という自慢話を延々とし始めた。



ずっと黙って聞いていたが


ドライバーの最後の一言に


震えた





「で、僕、どうかな?」





ミラー越しに目が合う。




数分前に初めて出会った男性に

僕、どうかな、って言われても


外国人パブで

モテモテな、こんな僕とどうかな、と?


お付き合いの申し込みだ。おそらく。





ど、どうすれば?


どう答えるのが正解なのか?





嫌だ嫌だ


タタタタタタスケテ


答えようによっては


このまま拉致されるのだろうか


怖い怖い


ここは

動く密室だ



幸い


まだ昼間で辺りは明るい





くるくると必死に考える





「ご、ごめんなさい、私、婚約した彼がいるんです。

あ、ここで降ります」




婚約した彼氏がいる、というのは

咄嗟についた嘘で


降りた場所も本来の目的地よりだいぶ手前で




私は無事だった


無事に車から脱出、した。


ドライバーさんは

諦めてくれた、ようで

そのまま

タクシー料金を受け取って走り去ってくれた。






東京はこわいところだ



誰か

正しい回答例を

オシエテクダサイ