私が小学生だった頃
《フルーツ占い》
が、流行っておりました。
四柱推命や、占星術に基づくものでなく
女子同士のコミュニケーション道具に使われるような
単なる戯れのような占いでした。
動物占い(←例えが古い?)から、四柱推命的な要素を抜いたような。
《リンゴ》→恥ずかしがりやさん
《レモン》→背伸びした大人っぽい女の子
《さくらんぼ》→決断力がない困ったさん
的な。
占いが当たっているかどうか、結果はどうでもいいのです。
私は《リンゴ》だったー!
とか、私は《レモン》だったよ、ふふ!
みたいな。
私は
当時、サラリーマンで、平日休みだった父に、下校後、フルーツ占いを試してみました。
私「いちご、バナナ、ぶどう、さくらんぼ、レモン、この中でどれが好き?」
父は、フルーツ占いがどうこういうより、本当に好きなフルーツをただ答えただけだったんだろう。
父「うーん、ブドウ、かな。」
私「ブドウを選んだ人はねぇ、《気が多い人》なんだってー。」
父「……!!!」
その瞬間、父の顔色が一瞬変わり、言葉に詰まったのを見逃しませんでした。
《気が多い》という意味も解らなかった
無邪気な小学生でした。
その数十年後。
母から語られた話。
母「あの頃ねぇ、パバは浮気ばっかりしてて!もう、私、悔しくってね。」
あの占いは当たっていたようでした。
子に言い当てられて、背筋がひやっとした瞬間の父の顔を、私はまだ覚えています…