私の旧姓はN。(今は結婚して別の名前です)
でも
戸籍を調べた結果
私→N家
父→N家
祖父→N家
曾祖父→N家であり、本当は《三好》家
え?
どういうことなんだ。
戸籍を取り寄せた結果解った真実だった。
私は、本当は《三好》。
たぶん、父は曾祖父の事情を知らなかったんだと思う。
N家の戸籍は東京の台東区。
父「この戸籍は《特別な戸籍》なんだ」
と、いつもいつも私に言っていた。
その割りに、台東区の詳しい話は一度も聞いたことがない。
私がよく聞かされていたのは…
父が小田原で少年時代を過ごしたこと。
その後、東京のS区に住んでいたこと。
その後、祖父は仕事を退職し、千葉に移り住んだこと。
私はその千葉にある祖父の家に行くのが楽しみだった。
美味しいパンを焼いてくれて、いい薫りのする珈琲を淹れてくれた祖父。今は空の住人だ。
去年逝った父と再会しただろう。
父は祖父と顔がそっくりだ。
父の母(私の祖母)の実家は
熊本の水前寺公園のそばで写真館を営んでいたこと。
千葉に来てからの祖母は、熊本が恋しくて「寂しか、寂しか」と口癖のように言っていたこと。遠すぎて帰れなかったんだろう。千葉と熊本は、遠すぎる。
…
戸籍を見て、納得した。
曾祖父は、東京の生まれではない。
熊本の人だ。
熊本の三好家の三男坊。
どういう事情があったのかわからないけれど
東京の台東区にあるN家に養子に入った。
N家は三好家と親戚のようだ。
曾祖父はN家の家督を継いだのだ。
曾祖父は、三好家を離れてどんな気持ちだったんだろう。
東京と熊本は遠すぎる。
事情を解っていても、
やはりあるのは
親から見捨てられた気持ち?
親が見捨てるわけないけど、悲しかったろう。
曾祖父の両親の気持ち。きっと、胸が張り裂けんばかりだったろう。きっと、愛していたはず。悲しかったはず。ずっと熊本にいて欲しかったはず。手元に置いておきたかったはず。
N家にも事情があったんだろう。
N家の人達はどんな気持ちだったんだろう。そうせざるを得ない、事情があったのだ。きっと。
N家を継ぐべき子供を亡くしたとか。
深刻な事情があったんだろう。
これらについて私は何も知らされていない。たぶん、父も。
祖父の家によく遊びに来ていた人は、遠い親戚と聞かされていたが、実は祖父の従姉妹だったのだ。きっと。
戸籍を調べたことで
初めて知った、人物の存在。Nジュモさん。女性。
曾祖父の養母です。
私はいつか
その人のお墓参りをしたいと
思っています。
そして、熊本の三好家のお墓参りも。
本当の血筋だから。
遠いけど、いつか、行きたい。
お墓の場所は解りません。両方とも。
時間をかけて、探すつもりです。
待っててね。いつか行くから。
真面目な話です。