…実家の前に立つが勇気が出ない
何を言う?
金を貸してくれ…
恥ずかしいのと申し訳ない気持ちであしがすくむ
でも…
子供達の顔を思い出す
食べさせないといけない
勇気を出して言わなければならない…
無理だよ…
あんな自分勝手に仕事行かなくなったのに会わせる顔が無い
実家の中に入れなかった…
ハルカは一つ上の兄に電話をした
兄は独身で安定して働いている
それなりの立場にもいる人間だったので兄に頼る事しか頭に無かった
電話に出た兄は面倒そうな口調で
何か用?
と聞いてきた。
ハルカは兄に生活費が無い
手持ちの金が無いと伝えた
しばらく兄は考えていたがハルカに質問をしてきた
お前、払い物は払ってるか?
払えてなんかない…家賃はすでに三ヶ月、保育料は半年滞納していた
ガスも電気も月遅れだった
払わないと止められる…
そんな状況だった
兄は呆れたが年末の帰省で帰って来るから払う物を紙に書いて金額を出しておけと言われた
そして食費として五千円振り込んでくれた
そして兄が帰って来た
実家は無理なのでハルカはタカのいる自宅で話しをした
兄は聞いて怒った
そして親には迷惑をかけるなと言い、貸すかわりに条件を出した
今から支払いに行くが、実際に払っているかを見るために付いて来るという事だった
信用されてないのが心に痛かった…
でも仕方ないことだった
保育料の支払いは市役所で、兄は市役所の担当者に頭を下げた
家賃も担当者を電話で呼んで支払った
払ってもらった金額は20万を超えた
ハルカは逃げ出したくなる気持ちを堪えて、あちこちに頭を下げた
すでに26歳になっていたハルカには情けなくて恥ずかしかった
兄に礼を言い実家に送った
兄は年末年始を実家で過ごすのにハルカは顔を出せないでいた…
こうして年が明けた
タカの実家に挨拶に行った
子供達はお年玉をもらったがタカは、それすらスロットに使った
ハルカも派遣が終わったのでタカに連れられてパチンコ屋に行かなければならなかった
偶然にも勝ったので生活は落ち着いた
でもタカは金を兄に返そうとも言わなかった
手持ちの金が無くなったら、スロットが出来なくなるから嫌なのだろう…
時々はキレたが優しくタカはしてくれた
後から知ったが、これはハネムーン期と言うらしい…
そんな正月も落ち着いたある日、いつものようにハルカを連れてタカはパチンコ屋に来ていた
そこで一人の男が声をかけてきた
タカの中学時代の友人だった
この出会いが本当の恐怖の始まりだった…