先日『トンマッコルへようこそ』を観てきました。
戦時中(朝鮮戦争)のおとぎ話のような映画です。

北だ南だ何だ、って
トンマッコルへ流れ着いた戦士たちは、はじめ真剣にいがみ合います。
そこでトンマッコルの村人たちは
 とりあえず良く分からないけれど彼ら怒っているから言うこと聞いておこうか
と静かに戦士たちの怒りが治まるように言うことを聞いてじっとしています。
でも村人にとって目下の最重要事項は今年の畑の収穫だったり、畑で荒らすイノシシ退治だったりして
やがてにらみ合い動かない戦士たちを眺めながら、変わらないいつもの生活をしだします。

そんな村人と戦士たちのちぐはぐが滑稽さを加えていたように思えて仕舞って、
そんな風に思われるのは私が平和ぼけしているからなのでしょうね。
それでも、トンマッコルでの豊かな暮らしにも、映画が終わるようにやがて終わりが来ることを
映画を観ている最中ずっと思い描いていました。

エコールと違って象徴するものが分かりやすい映画です。蝶々とか、少女とか、衣装の色とか、火とか、花とか・・・。
あと、戦場シーンが美しくて印象的でした。真冬の雪の中の爆撃が花火のよう。
ピョ少将のひとり草すべりのシーンや、村長のおふくろさんとのふれあいがほほえましかったです。
肉を喰らう男たちのシーンもすきだなぁ。

この映画の重要なポイントは久石譲の音楽。
無垢なイメージや山奥の異次元的な村の雰囲気に、彼の独特の和音がぴったりでした。