場所を見つけた。
引っ越してきてから3年半、ずっと気になっていた喫茶店『星の隠れ家』
勇気を出して入ってみるとそこは、薄暗い、でも重厚な空気の漂う場所でした。
老夫婦が1組と色鉛筆などを使って大きな紙に何かの企画を描いている只者ならぬおじさんが1人。
ブラインドで外の光を取り入れていない窓際の席に座りました。
シフォンケーキと珈琲を頼み、本を読むのに丁度良い灯りの下、友人が誕生日に送ってくれた吉本ばななさんの『ハードボイルド/ハードラック』を読み始めました。
店内にはジャズがかかり、コチコチと規則正しい時計の音だけが鳴り響いています。
珈琲を飲みながら読んでいると、
何だか感情が丸裸にされてゆくのを感じました。
電車の中や自分の部屋で読むのとは違う感覚。
吉本ばななさんのファンでもなければ、感動ストーリーでもないのに、
涙が止まりませんでした。
声を上げるでもなくただただ、こぼれるのです。
とても穏やかに、繊細になれる場所。
ぼーんぼーんと云う時計の音に気が付き、店を後にしました。
表へ出ると唐突に感じる冬の気配と夜の訪れにまた感情が高まり、商店街を伏目がちに通り過ぎるのに必死でした。
人気のない通りへ出て空を仰ぐと、どんどん紺色になってゆく空が広がっていて、
頭の中がまだクリアで、洗われたばかりのようだと思い
また、目から流れました。
私の生まれる前から佇んでいるお店。
あすこへ行くと、何か物語を紡ぎたくなります。
引っ越してきてから3年半、ずっと気になっていた喫茶店『星の隠れ家』
勇気を出して入ってみるとそこは、薄暗い、でも重厚な空気の漂う場所でした。
老夫婦が1組と色鉛筆などを使って大きな紙に何かの企画を描いている只者ならぬおじさんが1人。
ブラインドで外の光を取り入れていない窓際の席に座りました。
シフォンケーキと珈琲を頼み、本を読むのに丁度良い灯りの下、友人が誕生日に送ってくれた吉本ばななさんの『ハードボイルド/ハードラック』を読み始めました。
店内にはジャズがかかり、コチコチと規則正しい時計の音だけが鳴り響いています。
珈琲を飲みながら読んでいると、
何だか感情が丸裸にされてゆくのを感じました。
電車の中や自分の部屋で読むのとは違う感覚。
吉本ばななさんのファンでもなければ、感動ストーリーでもないのに、
涙が止まりませんでした。
声を上げるでもなくただただ、こぼれるのです。
とても穏やかに、繊細になれる場所。
ぼーんぼーんと云う時計の音に気が付き、店を後にしました。
表へ出ると唐突に感じる冬の気配と夜の訪れにまた感情が高まり、商店街を伏目がちに通り過ぎるのに必死でした。
人気のない通りへ出て空を仰ぐと、どんどん紺色になってゆく空が広がっていて、
頭の中がまだクリアで、洗われたばかりのようだと思い
また、目から流れました。
私の生まれる前から佇んでいるお店。
あすこへ行くと、何か物語を紡ぎたくなります。