急に視線を感じる。

背後からうれしそうに走り寄る足音。
はたはたはた。
抱きぃラブラブ


やや? ひざ下が温かい? と思い見てみると、
1~2歳の愛らしい女の子が私にしがみついていました。
ぱっと上げた目と目が合うと、
途端に彼女は やーん、と泣き出してしまいました。

慌てて走り寄る彼女のお父さん。
「その人はママじゃないよ」
そっか、お母さんと間違えちゃったのね。びっくりしただろうに。
お父さんに抱っこされてなだめられながらも、
私の左の人差し指をぎゅっと握ってなかなか放してくれませんでした。

そして、

私の心も掴んで離しませんでした。あうーん。