念願だった是枝監督『ワンダフルライフ』を見ました。
『DISTANCE』を観てときめき、フジテレビのCMでくらりとし、待ちに待った『誰も知らない』で終に惚れて仕舞った是枝監督。
『ワンダフルライフ』はとても穏やかな喜びをもたらしてくれる映画でした。
 死んでしまった人はみんなある施設に送られます。
 そして人は、人生の中でひとつだけ、あの世へ持ってゆける思い出を選ばなくてはいけません。
 その期限は3日。3日間の間に決めなければなりません。
 それを施設のスタッフが再現し、そのビデオを上映してくれます。
 ビデオを観、思い出が鮮明によみがえったその瞬間、
 人は、あの世へと旅立つのです。
 そんな施設の1週間の記録と記憶のお話。
DVDを観ながら、私の持ってゆきたい、或いは持ってゆける、たったひとつの想い出はなんだろうと考えていました。
 友達と行った美術館で素足になって作品の水の中を歩いたこと
 小さな私が堤防の上から見た大きくにじむ太陽
 庭の大きな金木犀をトトロの木だと言って崇めていたり、怖くて見ているだけのザリガニ釣りや木登りをして遊んでいた頃
 ひとりで地べたに寝転んで見たしし座流星群とポタージュスープの味
 初恋の人と一緒に歩いた朝の池のほとりの公園
 或いは。。。
結局答えは見つからず。
やはり切羽詰らないと答えを出せないのかしら。

今回は借りて見ましたがこれもDVD欲しいなぁ。
私は彼の穏やかさや静寂がとても心地よいのです。