相葉くん入所記念

 

 

歯医者からの帰り道。
少し離れた場所からスマホをこっちに向けてくる小柄な男。
一般の人ならやんわりご遠慮いただくとこだけど
顔は見えなくたってそいつが誰かなんて秒で分かるっつーの。
何年の付き合いだと思ってんのよ。

「にーの、なにしてんの。」
「んふふ。バレた?」
「当たり前でしょ。」

こっちおいでと手招きするのにパシャパシャ撮ってるし。
しょうがないやっちゃなあ。
好きに撮らせておいたらようやく満足したみたい。
小走りでこっち来た。

「で、なにしてんの。」
「ん-ー、仕返し?」
「なんの?」

にこにこして「分かんない?」ってさあ。
分かんないから聞いてるのに。

「このシチュ、覚えないの?」

このシチュ?前にもあったってこと?
ん-ー、街でいきなり写真撮るなんてあったっけ。

「ヒント、歯医者の帰り。」
「今でしょ。」

あ、林先生みたいになっちゃった。
歯医者、、、前から一緒の歯医者だからなあ。
同じ日にってこともそりゃ、あ、あーあーあーあー。

「前と逆だ。」
「やっと思い出した?」

そうだそうだ。前は俺がにのを待ち伏せてスマホ向けたんだ。

「よくそんなの覚えてたね。」
「記憶力いいもんで。」

そうだっけ?
確かに歌とかダンスとかは覚えるの早いけど
自分のことになると全然覚えてないだろ。
あ、でも嵐のことは良く覚えてるっけ。
こいつ、自分のこと以外なら。
いや、自分が好きなことなら記憶力抜群。

「そっか!」
「なによ。」
「にのちゃん、俺のこと好きだもんねー。」

ばかじゃないの、といつものセリフ。
耳赤くしてさあ。
好きなんて何度だってお互い言ってるのに未だにこれ。
そういうとこ、可愛くてしょうがないんだよね。
いたずらっこなとこもさあ、出会った頃から変わんない。
にのは、ずっとずっと変わんないの。
それってすごいことだよね。

「相葉くんさあ、俺の顔見えなかったでしょ?」
「うん。スマホで隠れてたしね。」
「今日はさあ、見せたことない服なわけよ。」
「え?あ、ほんとだ。なに、買い取り?」

にのにしてはおしゃれだし、番組出た時の衣装かな。

「そうじゃなくて!顔も見えない、服も初見なのに
なんですぐ俺って気づくんだよってこと!!」

欲しがってる!