「…してないけど、たまにはしたいし。」
「保護者のいない隙に止められてることをしたい、と。」
その通りである。
そもそもノコルンは自身を清潔にする気はあまりなく
シャワーさえも自分からは浴びようとしない。
バトラカやピヨに叱られてしぶしぶと浴びることが多かった。
それに外に出るのもあまり好きじゃないのだ。
だけど今回はあまりに悩ましく、青空の下で水浴びをすれば
スッキリするかな、と。なんとなく思ってしまった。
ノコルンとしたら、その程度の話だったのだが
目の前の黒須は静かに、けれど確かに怒っている。
なんで?
意味や理由は分からずとも、なんとなく黒須に見つかったら
マズい気はしていた。
そんな予感がしたからコソコソしていたのだ。
「あなたは川で水浴びなんてしたら
どうなるか想像できないのですか?」
「は?キレイになるに決まってるだろ。」
そういうものだ。だって風呂の代わりなのだから。
ノコルンの言葉に黒須は深くため息をついた。
「いつから川での水浴びを禁止されました?」
「え?ん-、たぶん10か、そこらだったか。」
妥当なところだと黒須は思った。
むしろ少し早いことに安堵した。
さすが過保護な保護者だと感謝さえした。
「川は人の目を遮りません。」
「そうだな。」
だからなんだ?とノコルンは本気で思った。
自分の魅力をまるで分っていないらしい。
「誰に見られてもいいと?」
「は?」
「水浴びするときは裸ですよね。誰に・見られても・いいと?」
いちいち語尾が強い。
なんかこえーなと思いつつ、今更引けないノコルン。
「だから、別に、男なんだから普通だし!!腰巻くらいはするし。」
入水時は腰巻をするが水に浸かったらそれも外す。
その説明は省略したノコルンだった。
なにか自分がマズいこと言ってる気がだんだんしてきて
本当は結構ビビってた。
だって黒須、怖いんだもん。