偶には本部に呼ばれる事もあるけど、大概は敵地に潜り込むんだ。
身体の中身をすっかり変えられ、今迄とは違う服装で町に忍び込む。
そりゃあバレそうになる時だってあるさ。
あぁ、町は怖いぜ。
突然命を落とす事がある。
殴られ蹴られ、最後は木っ端微塵さ。
あぁ?
あぁ、そいつ等は帰っちゃ来れねえ。
それによ、そう云う時ゃあ自国の部隊だってお構いナシさ。
始まったら逃げらんねぇんだ。
お陰でこんなにヒビが入っちまって、お役御免さ。
でもよ、二十年が処、生き抜いたぜ、あの中をよ。
繰り返し繰り返し、二十年だよ。
なぁ、良くやった方だぜ。
それに比べて、お前等は特攻だからなぁ。
でも、見た処どっこも傷んでねえじゃねえかよ。
それでも殺されるのか。
全くどうなっちまってるんだい?
若けぇお前等が次々生まれて、たった一度の為に…
「おい!瓶と缶を混ぜんなよ!分別だよ分別!!給料減らすぞ!!」
「チッ!!」
月明かりの中で、広志はビールの瓶と缶を左右に放り投げた。