「星ひとつ残し

落つる

花火かな」



花火柄のセロファンを貼った

寸松庵色紙に

書いて

割り箸で作った額状のものに

挟み込んだもの




これも数年前のものだから

糊とセロファンの収縮や劣化で

歪みが出てるなぁ

まるで私の心の歪みのようだ(笑)



これはシニアの生徒さんに

楽しんで貰えるように

見本で作ったものなんだよね〜





シニア向けには

どういうものが喜ばれるだろうとか

どの程度なら

時間内に完成していただけるだろうとか

どのような失敗が起こりうるだろうか

それをフォローするなら

どんなものが必要なのか

頭の中は

毎日がそんなことが一杯で



でも

仕上がって

喜ばれるシニアの皆さんの顔が

見られると

嬉しかった




なのに今は

自分がシニアになったからか

教えてる側も習っている側も

同世代になって来てしまっている



それならこうして

仕事をさせて頂ける自分の事を

喜べばいいのに

なんとも言えない

不思議な感情が支配して

複雑な気持ちで

9月の手本を考えている








教室の途中で

「教えてもらったこれを葉書に書いて

暑中見舞いにしたいけど

この色紙に貼ってしまったら

花火のセロファンが

暑中見舞い用に貼るのに足りない」

といわれて

この花火柄のセロファンの予備を

準備すべきだったのか〜

暑中見舞の教室にしたほうが

良かったのか〜

でもなんとか期待に応えなければと

その場で

即興で

クレヨンで

線香花火を描いてみせる


「落とさないよう

静かに

そっと

線香花火」




もう、みんな花火のセロファンを貼って

色紙を書いたことなど忘れて

クレヨンに夢中になっていくから


人数分の

割り箸やセロファンを集めて

準備で苦労なんかしなくても

クレヨン一本が良かったのか〜



と落胆しながら

でもクレヨン1本でまた

盛り上がり喜んでる顔の

シニアさん達をみて喜んだり



そうやって

40年近くやって来たら

もう、アイデアが出てくる

引き出しが

空っぽ


あ〜あ

どうしよう