スケールフリーネットワーク』 という書籍を読みました。
今年1月に発売された書籍です。
 

示唆に富む本でした。
アフターデジタル』の書籍の内容を、よりマクロな視点で(個々のユーザーの体験から離れた視点で)捉え直した書籍、という印象です。
真の"DX"が、いわゆるデジタル販促以外の領域、特に製造業、で進むだろう、

そして、日本はその中でアドバンテージを有しているのだから、再起せよ、という日本企業を勇気づけるような内容でした。
日本は良くも悪くも事業を”切れない”ため、選択と集中という意味では弱かったものの、それが逆にチャンスになるかもしれない

という記述は目から鱗でした。

選択と集中は未来が見えているときに有効な手段であるが、逆に言うと未来が不確定なときにおいてはそうではない、

具体的には色々なもの(エッジ)に関するノウハウやデータがたまっているから、そこが競争力の源泉の1つになりうるのではないか、

ということでした。

 

また、そのようなトレンド(一過性のイベントではなくあくまでトレンド)がある中で

優位性を確保するためには、スケールフリーネットワークが生まれる場を提供すべき、

そのためには、(自社の競争優位性を脅かさない範囲で)情報や技術を世に出すべき、という点は非常に賛同できます。

世に出すことで、ネットワーク(ゆくゆくはスケールフリーネットワークにつながる要素)が生まれるから、とのことです。

 

一方で、場を作る動きは必ずしも収益に直結しないため、どこまで行うべきか

(書籍では”どこまで我慢できるか”という言い方をしていました)

を考えるためには、既存事業における収益があること、トップに明確なビジョンがあることが大前提となる印象です。

両利きの経営』 における”探索と深化”の”探索”の話ですね。

同時に、

・スケールフリーネットワークでハブの役割を将来果たすであろう、コアなユーザー/ファンがどの程度いるか、

・そのコアユーザー/ファン の将来性がどのくらいあるか

という点も重要になるのではないか、と思います。

 

あと、完全に余談になるのですが、

今後事業者サイドの会社で働く場合、そんな場を提供できる/している会社で働きたいと思いました。まる。