日本を含む世界の株式市場はグローバル化が進み、国内のみならず海外の情報やマネーの影響を受ける。将来の株価の動きを予測するには、国内の株式指標を見てるだけでは不十分。
セントルイス大学のラパッチ教授らは、1980年から2010年まで30年間の日本を含む先進11カ国の月次投資収益率を使い検証した。
その結果、先進国の株価動向をよく予測できるのは、自国の金利水準や配当利回りではなく、米国株の月次投資収益率であると結論した。
米国株を動かした情報が他市場へと広がった場合、その市場の株価トレンドは米国株と同方向となる傾向が強い。
つまり米国株は他の先進国株の先行指標となるのだ。逆に、米国以外の先進国の株価動向が米国市場の動きを判断するうえで有効になることは少なかった。
米国株の指標性の高さは他のアジア株でも同じだ。韓国・成均館大学のリー教授の研究では、日本を含むアジア12市場の動きを予測するうえで最も有益なのが、ダウジョーンズの算出する米国株を対象にした株価指数だと結論した。
アジア各市場の方向感を探りたいなら、ダウ・ジョーンズ指数の動きを把握するのが早道なのだ。
これら2つの研究では、世界主要国の株価予測の可能性は、米国景気が転換点に差し掛かった時に高くなると指摘する。
ファンダメンタルズの変化を株価が敏感に織り込むためで、中でも経済の停滞期や金融危機の局面を迎えたときのほうが顕著となっている。
この記事は山口大学経済学部の城下教授が3月13日の日経新聞夕刊の十字路に投稿したものです。
文章の最後に重要なことが書かれてありまして、米国株の上昇傾向より下落傾向の時が、他国の株価指数も連動性が高くなります。
ただ、NYダウの動きを把握しろと書いてますけど、そんなに簡単に把握できないという気もしますけど(笑)