バイオ医薬品開発、国内勢巻き返し | マクロ経済のブログ

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株式市場で注目されそうな経済のニュースを取り上げています。個人的な独断が多少入っていますが(^^)


出所:セジデム・ストラテジックデータの調査による」「出典:セジデム・ストラテジックデータ(株)ユート・ブレーン事業部」


 国内バイオ医薬品会社が、これまでのバイオ薬と比べてより効果が高い薬の研究開発を急いでいる。中外製薬(4519)は体内で効く時間を延ばし患者の負担を減らす抗体医薬品の臨床試験(治験)を開始。

 協和発酵キリン(4151)は病因たんぱく質を多様な手段で攻撃するなどの新型抗体薬の研究を始める。副作用が少ないとされるバイオ薬の長所を生かした新薬開発を加速させる。

 中外製薬は一度病因と結合した抗体が、再び別の病因に結びつく新型抗体薬を臨床試験中だ。同社が製造・販売している抗体薬「アクテムラ」を改良する。

 抗体を再機能させることで体内で効く時間を延ばす。現在一般的な月1回で1時間程度かかる点滴による投与が、月1回以下の皮下注射ですむようになる。

 協和発酵キリンは、研究中の特定のたんぱく質に結びつく物質の作製を目的に、デンマークの製薬企業ジェンマブと新型抗体薬の共同研究契約を結んだ。

 抗体薬はY字型で、先端の2カ所が特定のたんぱく質と結びつくことで症状を抑える。例えば片方をがん細胞の表面に出ているたんぱく質、もう片方を免疫細胞に結びつけることで、がんをより強力に攻撃できる可能性がある。協和キリンはジェンマブが持つ新型抗体の生産技術を活用し、新薬候補の抗体を探す。

 低副作用の抗がん剤の開発も進む。スイス製薬大手のノバルティスが出資した東大発バイオベンチャーのペプチドリーム(4582)は、アミノ酸の結合物「ペプチド」を使って薬の有効成分をピンポイントでがん細胞などの病因部分に運ぶ、副作用が弱い薬の開発を進めている。既存の抗がん剤は、正常な細胞も攻撃してしまうことから副作用が強い。

 調査会社のセジデム・ストラテジックデータ(大阪市)によると、2012年の世界の医薬品売上高で上位10製品のうち7つがバイオ薬。市場規模は16年に10年比約4割増の1500億ドル超(約15兆円)になるとの予測がある。

 国内のバイオ医薬各社は今後、世界でバイオ薬の需要がより高まるとみて研究開発を加速させ、先行する欧米勢を追う。