キオクノヒキダシ

記憶の抽斗


カタカナと漢字では随分と印象が
違うように思える。


歳をとると「アレ」「ソレ」が
多くなってくる。

脳の老化と言ってしまえばそれまでだ。




言葉に色気が無い。

記憶の抽斗が開かない
キオクノヒキダシが開かない
後者の方が良い。
響きが良い。

キオクノヒキダシには特殊な「カギ」がある。



かおり
ひかり
おと
あじ
ふれる

ある条件下で微妙な分量が
正しい順番で交ざると
キオクノヒキダシが開く。

微妙な分量じゃ無ければ
隣のヒキダシが
随分とズレたヒキダシが

開く…かもしれない。

順番が狂えば、きっと同じ事が
おこるだろう。

その時に全く必要では無いのに
急にキオクノヒキダシは開く。
その中には、小さなキオクノ断片がある。

飛ばさないように
壊さないように
失くさないように
焦点の合う距離において見る

続きはまた後程。